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おぢばにおかえり

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第五十四話 最後の学期になってその十四

「だからね」
「詰所ではですか」
「食べないわ。寮にいるのなら」
 あと少しにしてもです。
「寮の御飯を食べないとね」
「だからですか」
「これから寮に戻るから」
「そうしてですか」
「食べるわ」
「そうですか。じゃあ詰所に入られたら」
「そうしたらね」
 それならです、もう詰所に入らせてもらう手続きはしています。寮を出たらその足で詰所に向かう予定です。
「詰所で御飯を頂くことになるわ」
「そうですか、じゃあその時に」
「一緒に食べたいっていうのね」
「カレーを」
「そんなにカレーが好きなの?」
「好きは好きですけれど」
 また微妙な返事が来ました。
「そこはまあ」
「まあって?」
「いや、いいです」
 そこから先は言わない阿波野君でした。
「またの機会に。じゃあ詰所に図書館で勉強して」
「それでなのね」
「詰所でカレー食べてきます」
「そうするのね」
「午後も勉強します、そして」
 それからというのです、何か阿波野君も結構努力家なのかしらと思いました。おみちのことのお勉強にひのきしんに学業にとです。
「郡山行ってきます」
「そこで豚カツ食べるのね」
「そうしてきます」
「結構盛り沢山な一日ね」
「いいことですよね」
「一日が充実していることはね」
 それはとです、私は阿波野君に答えました。 
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