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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十一話 お茶の後でその五

「ですから」
「早百合さんもですね」
「これで、です」
「警戒もですね」
「しています」
 今は甘さを楽しんでいるがというのだ。
「実は」
「そうなんですね」
「甘いだけないのは人間ならではですね」
「苦かったり辛かったりもして」
「時にはもう恋愛恐怖症も」
「そうなっている人もいますね」
「今お話した人も」
 まさにその人もというのだ。
「おそらくですが」
「恋愛恐怖症にですか」
「なっていたと思います」
「というかですよ」
 聞いた限りでだ、その人について。
「その人失恋して裏切られても傍に人がいてくれたんですよね」
「本当のお友達が」
「若しその人がいなかったら」
「ご両親もよくない人達だそうで」
 それで今は家を出て親戚のお家に入っているそうだ、ご両親とはほぼ絶縁状態になっているらしい。
「本当にその人がいなかったら」
「潰れていましたね」
「人は本当に辛い時は」
 そうした時はというと。
「目の前が真っ暗になるといいます」
「それ言われてますね」
「私はそこまでの経験はないですが」
「僕もです」
 文字通りに目の前が真っ暗になるらしい、そうした場所にいなくても。
「幸いに」
「そうですね、ですがそうした時に」
「傍に誰かいないと」
「本当に潰れてしまいます」
「そうなってしまいますね」
「そしてその時の心の傷が」
 まさにそれがだ。
「トラウマになってしまって」
「恋愛恐怖症にもですね」
「なります」
「そうもなりますね」
「ですから」
 それでというのだ。
「その人にそこまで素晴らしいお友達がいないと」
「潰れていましたね」
「例え何があっても傍にいてくれる」
「そんなお友達いたらいいですね」
「ですが」 
 若しいないとだ。
「その時はです」
「本当に大変なことになりますね」
「この場合最低なのは告白をけしかけておいて」
「自分達は手の平返しで逃げる」
「何でも女の子達に言われたそうですが。告白した相手のお友達に」
「それで逃げるなんて」
 けしかけた相手を切り捨ててだ。
「人としてです」
「最低ですよね」
「はい、その人達は最初からです」
 早百合さんは強い声で言った。
「その人と友達ではなかったのです」
「友達ならそんなことしませんね」
「傍にいつもいた人こそです」
「友達ですね」
「友達ならその人が辛いと見ると」
「すぐに掌を返して切り捨てたりとか」
「絶対にしないです」
 僕に強い声で言い切った。
「ましてや告白する様にけしかけたのですね」
「お話を聞くとそうですね」
「余計にです」
「友達ならですよね」
「そこで自分も動きます」
 そうするというのだ。 
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