八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十話 二重奏その十二
「苦労して手に入れるかといえば」
「そうでもないですね」
「そうですよね、どうも」
「身近にある些細なもので」
「手に入れるにあたっても」
「簡単なものかと」
「あと既に持っているとか」
そういえば青い鳥もそうだった、家にあったということはもう主人公達は幸せを手に入れていたのだ。
「そうしたこともですね」
「ありますし」
「そうですね、じゃあ」
「本当に幸せはです」
「些細なもので」
「気付くかどうか」
「それだけかも知れないんですね。というか」
ここで僕はまた言った。
「そうしたものの方が多いですね」
「はい、ただ義和さんは運はどうでしょうか」
「悪くないと思います」
自分ではだ。
「別に周りに悪い人もいませんし」
「そうですか」
「悪い人に会ったこともありますが」
それでもだ。
「おかしな人に会うことも」
「あってもですか」
「はい、特にです」
これといってだった。
「深く関わることもなかったので」
「人とのお付き合いではですね」
「別にです」
本当にこれといってだ。
「悪かったことはないですし」
それにだ。
「変なことにも巻き込まれていないので」
「運は、ですね」
「よかったです」
「そうですね、それだけでもですね」
「幸せですよね」
「運が悪い人はやたらと悪人に出会って」
それでというのだ。
「深く関わってしまって」
「苦労しますね」
「何かとタイミングが悪かったり」
「そうしたことばかりで」
「それだけで辛い場合があります」
「運の要素って大きいですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「運はです」
「それがあるだけで」
「幸せになれます」
「そうですよね」
「流石にシンドバットはかなりですが」
「アラビアンナイトの」
「あの人は凄いですね」
その運がというのだ。
「何度乗っている船が難破しても」
「生きてますしね」
「猛獣に関わっても」
ロック鳥等にだ。
「それでもですね」
「はい、ピンチに遭っても」
それでもだ。
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