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デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~

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第二章【三つ巴の戦い】
  第二十一話「来禅高校修学旅行・Ⅰ」

「また謀ったな鳶一折紙!こちらの席は景色が遠いではないか!」

7月1日、この日は来禅高校の修学旅行であった。本来なら沖縄に行くはずが急遽或美島へと変更になっていた。そこには旅行会社から提示された破格の条件難度が絡んでいたが生徒たちにとっては沖縄から近場の或美島になったところで楽しむだけであった。

そんな訳で島に向かう飛行機の中、恐らくこの機の中で最もうるさい場所があった。三席の左右を美少女が座りその真ん中に男子が座ると言う誰もが羨むその席の廊下側に座っている少女、夜刀神十香は席から立ち窓側に座る少女、鳶一折紙に大声をあげていた。

そもそもの理由は廊下側に座っている十香が景色が見えないと騒いでいるからなのだが席の希望を細かく出していないためある意味では自業自得とも取れた。

「すいません、すいません、すいません、すいません」

その騒ぎの煽りを受け担任の岡峰珠恵(タマちゃん)が先ほどからずっとCAに頭を下げ続けていた。

「ほ、ほらいい加減十香も席に座れよ」

左右を美少女に挟まれた席に座る少年、五河士道は十香に落ち着くように言う。それを受け不承不承ながら十香は席についた。

「はぁ、全然寝れない」

「ははは、相変わらず両手に花で羨ましいな士道」

疲れたように呟く士道に声をかける存在がいた。士道たちとは廊下を挟み反対側の廊下側の席に座っている少年で先ほどまでのやり取りをニヤニヤした笑みで聞いていた。

「高校卒業後は中東で式を上げるのか?」

「やめてくれ。俺にそんな気概はないよ。安田」

少年、安田圭一は重婚でもするのかと遠まわしに聞きそれに気づいた士道は勘弁してくれとばかりに否定する。しかし、実際の所精霊の霊力を封印する為に複数の女性を口説いている士道ははたから見ればかなりのプレイボーイに見えるだろう。実際既にそう言う噂が言われていたりもする。

「全く、何でお前みたいなのばっかりモテるんだろうな、殿町」

「ああ、全くその通りだな」

安田は隣に座っている殿町宏人に同意を求める。そして殿町はうんうんと頷き同意をする。友人二人から羨まれる士道は付き合いきれないとばかりに上を見る。

「見て士道、雲が絨毯みたい」

「絨毯なら通路にも敷いてあるぞシド―!ほら!見ろ!」

「落ち着けって十香」

パシャリ

十香を落ち着かせようとした士道の耳にその音が聞こえてきた。前の方の通路を見ればこちらにカメラを向けている女性の姿があった。

「突然失礼しました。でも、中々いい表情が取れましたよ」

「は、はぁ」

女性、旅行会社から派遣されたカメラマンのいきなりの行動に士道は生返事をする。カメラマンの女性はそのまま前の方へと向かっていた。ややあって回復した十香が士道に尋ねた。

「あれは誰だシド―?」

「先生が言っていただろ?旅行会社から派遣されてきたカメラマンさんだよ」

「でも派遣されてくるカメラマンがあんな美人さんだったとはな。てっきり熟年のおっさんかと思ってたぜ」

士道の言葉に続くように安田が下心が丸見えの表情で鼻を伸ばしカメラマンの後ろ姿を見ていた。心なしか鼻息が荒かった。

「…そんな目で女子を見てるから嫌われるんだと思うぞ」

「何!?一体どんな目だと言うのだ!俺は美しい女性たちを見て目の保養をしているだけだ!」

「明らかに劣情の視線で見てる時点でアウトだよ」

安田の言葉に士道が呆れたように言う。顔の作りは悪くない安田が女性にモテないのは全てその欲情を隠そうともせずに女性を見るためだろう。中にはそんな安田に興奮する女性もいるとのうわさがあるが真意は定かではない。

「なあ、殿町もなんか言ってくれよ!」

「ん?ああ、悪いな。今彼女との次のデートプランを考えているんだ。邪魔をしないでくれ」

「親友に見捨てられた!?」

「というより相手にされてないだけだろ」

安田の言葉に士道は突っ込みを入れる。そうこうしている内にアナウンスが流れ或美島に到着する事が伝えられた。それに従い士道たちは席に座って着陸を待つのであった。










様々な思い、欲望、野望が入り交じる修学旅行が今、始まる。
 
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