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永遠の行軍

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第四章

「そんなことまでしてるか」
「そうした領主でして民には重税を課し」
「浪費家やったな」
「自分は贅沢三昧でした」
「聞けば聞く程最悪やな」
「そうした人物でした」
「ほなな」
 ここまで聞いてだ、リディアは言った。
「奥方さん達も怨んでるか」
「間違いなく」
「その人達の亡霊は出てるんかいな」
 兵士達の様にというのだ。
「あと処刑された家臣の人等とか」
「実は」
「その人達の亡霊もか」
「出る噂があります」
 実際にというのだ。
「これが」
「ほなな」
「それならですか」
「ちょっと考えがあるわ」
「といいますと」
「あたしに任せてくれるか」
 リディアは司教に考える顔で話した。
「その前にな」
「その前に?」
「領主さんのお墓と殺された人達のお墓に」
 こう司教に話した。
「当時の街の人達のお墓も場所教えてくれるか」
「お墓の場所を」
「そうしてくれますか」
「わかりました」
 司教はリディアの言葉に頷いた、そしてだった。
 司教はリディアと元春をそれぞれの墓の場所に自分が案内した、そうして全ての場所を案内してだった。
 その後で兵達が現れる場所にも案内した、ここまでしてもらってリディアは司教に対してこう言った。
「後は命日にな」
「領主の」
「その日の夜に動くわ」
「そうされますか」
「マイク使ってええやろ」
 リディアは司教に笑って話した。
「それは」
「マイクですか」
「そや、それもお墓のある場所全部と兵隊さん達の出る場所に」
 そこにというのだ。
「聞こえる様にしてええか」
「それで、ですね」
「兵隊さん達成仏させられるわ」
「左様ですか」
「あたしの考えが正しかったらな」
 こう司教に言うのだった。
「必ずな」
「ではその手配を」
「してくれるんやな」
「領主の命日までに」
 その日までにというのだ。
「させて頂きます」
「頼むで、しかし」
 ここまで話してだった、リディアは口をへの字にさせてこんなことも言った。
「聞けば聞く程最低な領主やったんやな」
「最低にして最悪ね」
「ほんまにな」
 元春にも応えた。
「どうにもならん奴やってんな」
「そんな奴やったらな」
「それこそというのね」
「怨みもな」
 これもというのだ。
「買ってるわ」
「兵隊さん達だけでなく」
「処刑された奥方さん達や家臣の人達」
「重税を課された領民の人達に」
「皆からな」
「私はわかったで」
 ここで元春は笑ってリディアに言った。 
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