いざサバンナへ
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第二章
「あそこは」
「そこに行くとなると」
「一人では。レベル四十位の冒険者でも」
それこそというのだ。
「恐竜はブレスや術はないけれど体格はドラゴン並だから」
「恐竜並に強いな」
「そんなの相手にするから」
「もう一人では。それこそ僕っち位やないと」
「あかんから」
「それで同行者探してるんやな」
「そうみたいや、ほな」
ジオンゴはさらに話した。
「この依頼やと感じるし」
「受けるんやな」
「そうしてあの人と一緒に行こうな」
老冒険者と共にとだ、ジオンゴは言ってだった。
そうして彼はギルドの事務所に依頼を受けると言った、そうして彼はヘッドと共にまずは老冒険者に会った。
すると彼は喫茶店で紅茶を飲みつつ二人に話した。
「私は引退したつもりだったんだよ」
「冒険家からはですね」
「そう、歳だからね」
自分でもこのことを言うのだった、ジオンゴに応えて。彼とヘッドは老冒険者と向かい合って話をしている。二人も紅茶を飲んでいる。
「それで大学で教鞭を手にしていたけれど」
「それが、ですか」
「あの浮島で新種の恐竜が発見されてね」
「新種のですか」
「その話を聞くと」
それでというのだ。
「自然に行きたいという欲求が出て来て」
「冒険家の血が騒いだ」
「そう、その恐竜のことをね」
「ご自身でもですね」
「見て調べたいから」
「行かれるのですね」
「そう、けれど君達も知っているかな」
ここで老冒険家は険しい顔になった、深い皺が多く刻まれた鹿人レイヨウのその顔がそうなっていた。
「あの浮島には恐竜もいてね」
「知っています」
ジオンゴは老冒険家にすぐに答えた。
「そのことは」
「なら話が早い、恐竜の恐ろしさも知っているね」
「ブレスと術のないドラゴンですね」
「その分凶暴なね」
「だから恐ろしいですね」
「恐竜に一人で勝つことはレベル百はないと無理だよ」
そこまでの強さでないと、というのだ。
「それこそね」
「おおむねそれ位は必要ですね」
「けれどそんな強さの人は滅多にいない」
老冒険家は二人のレベルは聞いたが素性を知らない、それで言うのだった。
「君達は別だが。その若さで色々あったのだね」
「それはまあ」
ジオンゴは老冒険家の今の指摘は笑って誤魔化した。
「冒険ばかりしていて」
「私よりも凄かったみたいだね」
「それはわかりませんが。ですが」
「君達がいてくれたら」
レベル百どころか百五十を超えている二人ならというのだ。
「安心出来るよ」
「恐竜がいても」
「そう、だからね」
「これからですね」
「行こう、そして」
「新種の恐竜をですね」
「調べるよ」
老冒険家はジオンゴに強い声で応えた、そうしてだった。
三人で空船でナイロビから浮島に向かった、浮島の港町から一歩外に出るともうそこはサバンナだった。
そこには多くの獣達がいた、おおむね大人しかったが中には向かって来る者達もいたので彼等はだった。
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