八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十八話 キーウィ入りのカレーその九
「共和国ですらないよ」
「王国ですよね」
「そんな国がよくて日本はね」
「皇室反対ですね」
「そんなことまともな神経じゃ言えないから」
常識があるならだ。
「相当な変態さんか」
「もっとおかしな人ですよね」
「つながってるとかね」
「少なくともまともな人じゃないですね」
「うん、明治の日本よりも」
今僕達が文化祭のテーマにしている明治維新の頃の日本だ、幕末の頃とこの頃の日本がとにかく大きい。
「比べものにならない位酷い国だよ」
「あの、調べていましても」
ここでジョーンさんが言ってきた。
「明治維新の頃の日本は」
「いい感じだよね」
「必死で明るくて」
「そうだよね」
「いい国ですわ」
「その時に必死に頑張って」
西南戦争とかもあって西郷さんの様な日本にとってかけがえのない人を失ったりもした、けれど全体として前向きで明るい国だったと思う。
「日露戦争でもね」
「勝ちましたわね」
「うん、そして」
それでというのだ。
「坂の上の雲っていうけれど」
「司馬遼太郎さんの作品ですわね」
「あの人の代表作の一つだよ」
「そうですわね」
「その坂の上の雲をね」
遥かな上にあると思われたそれをだ。
「掴んだんだ」
「そうですわね」
「当時の日本は」
「日露戦争に勝ったことも」
「それからのこともね、まさかだったけれど」
日本がロシアに勝ったこのことはだ。
「その時も必死に頑張ったから」
「それで勝ちましたわね」
「いいところで終わらせたし」
勝っているところでアメリカの仲裁をしてもらってだ、戦争は結局勝ったまま終わればそれで勝ちということだ。
それでだ、日本は日露戦争に勝ったのだ。戦争は相手を完全に滅ぼしたり降伏させるだけが勝利でないのだ。
「イギリスとも同盟を結んで」
「そのことも大きかったですわね」
「お陰で色々情報を得られて」
イギリスがロシアだけでなくロシアの同盟国のフランスにまで圧力をかけてロシアの戦争継続を困難にしてくれたことも大きかった。
「明石大佐も革命起こさせて」
「スパイだった」
「この人もいたし」
とかく色々な勝因が重なってだ。
「そしてね」
「勝ちましたわね」
「そうした戦争でね」
「その勝利の最初には」
「明治維新があったんだ」
この時代がだ。
「カレーライスも入った」
「そうですわね」
「まあその頃は」
ここで僕はジョーンさんに笑ってこうも言った。
「こうしたカレーはなかったよ」
「キーウィの入ったカレーは」
「うん、キーウィ自体がね」
そもそもだ。
「日本になかったから」
「日本に入ったのは最近と聞きましたけれど」
「結構昔に入っていたとも聞いてるけれど」
これが案外だ。
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