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夢幻水滸伝

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第百二話 大社の中でその一

               第百二話  大社の中で
 北原は今は春日大社の社の中にいた、そうしてアメリカの人の星達に大社の話を細かいところまでしていたが。
 その中でだ、彼はこんなことを言った。
「春日大社は高校に入るまで行ったことがなかったでごわす」
「確か北原さんは薩摩生まれでしたね」
 犬人の黒い牧師の服を着た女が尋ねた、人英星ルイーザ=ジョングだ。アメリカミシガン州出身であり職業はゾンビマスターでそのルーツは中国系アメリカンである。持っている神具はアンデットのモンスター達を操るオシリスの竿ネチワである。
「そうでしたね」
「そうでごわす」
「それが為に」
「春日大社、もっと言えば関西はでごわす」
「ご存知なかったですか」
「本は読んでいたでごわす」
 そこから知識は得ていたというのだ。
「そうだったでごわす」
「そうでしたか」
「九州各地は回ったでごわす」
 そちらの経験はあるというのだ。
「しかと」
「しかし関西の方は」
「知らなかったでごわす」
 その目で見たことはなかったというのだ。
「全く」
「そうでしたか」
「しかし神戸の高校ば進学して」
 そしてというのだ。
「起きている世界のここにも来て」
「知られたのですか」
「そうでごわす、あとおはんは」
 ルイーザを見てだ、北原はこうも言った。
「今は菓子ば食うとらんでごわすな」
「あれは休憩の時に食べてまして」
「流石にこうした場ではでごわすな」
「食べません」
 そうしているというのだ。
「気をつけてます」
「いいことでごわすな」
「さもないと」
 青い膝丈の長い詰襟の軍服に軍服と同じ色の乗馬ズボンと黒いブーツのハムスターの顔の鼠人の女だ、人強星セリュー=プーゾだ。アメリカノースカロライナ州出身で職業は闘士、横にいるのは三つ頭で漆黒の毛に首の周りに多くの蛇が生え尾も蛇である地獄の番犬ケルベロス彼女の神具でもある獣だ。
「私も怒るわよ」
「そうよね」
「守るべきことは守る」
 セリューは毅然とした声で述べた。
「そうしないと」
「さもないと」
 ハーフオークで枢機卿の服を着ているがその色は緑色であるのでキリスト教のものではないことがわかる。人輔星スコット=ヴォネガットだ。職業はビショップであり出身はアメリカメーン州だ、持っている神具は飲めば体力を回復させかつ一時的に身体能力を極限まで強化してくれるドラゴンの血である。
「いけないですよ」
「それはわかってるから」
 ルイーザはセリューとヴォネガットに答えた。
「あたしも」
「それならいいけれど」
「マナーは守って」
「食べるわ」
「そこは絶対でごわすな」
 北原もこう述べた。
「まさに」
「後で食べます」
「そうしてくれでごわす」
 北原もこう答えた。
「ここは大事な場所でごわすからな」
「今あたくし達は観光をしてますからね」
 鬣も見事な獅子人の男だ、赤と黒、そして白の丈の長い派手な法衣とズボンは時魔導士の最高位のものだ。人獣星ビル=ミッチェルだ、アメリカアイオワ州出身であり持っている神具は術特に時の術の力をかなり強くするバンダースナッチの時計だ。 
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