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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十六話 女子サッカー部の屋台でその十一

「言えなかったですけれど」
「僕はマネージャーで真面目に働いてるのを観てね」
 それでというのだ。
「自分からね」
「告白したんだ」
「そうなの、それでね」
「両想いだったんだね」
「僕のこと前から好きだったって言われて」
「告白した時に」
「僕も驚いたんだ」
 こう僕に話してくれた。
「これがね」
「そうだったんだね」
「俺滅茶苦茶嬉しかったんですよ」
 池山君の声は上気していた、顔も同じだ。
「それで、です」
「今も一緒にいられて」
「幸せですよ」
「そうみたいだね」
 その表情を見ればこのことは明らかだった。
「好きな子に告白されてね」
「それで付き合えているから」
「こんないいことってないですよね」
「そうだね」
「いい子だよ」 
 ニキータさんも僕に言ってきた。
「本当に」
「マネージャーさんとして真面目なんだ」
「いつも真面目でね」
「それでその真面目なところが」
「大好きだから」
 それでというのだ。
「僕もね」
「自分から告白したんだね」
「そうよ、じゃあ今から」
「二人でだね」
「お店やってくから」
「頑張って焼きますから」 
 池山君は僕に明るい顔で話した。
「もう一つどうですか?」
「そうだね、じゃあね」
 僕はニキータさんの言葉に頷いた、そしてだった。
 実際にもう一つ注文してまた食べた。それからだった。
 僕はクラスに戻った、すると休み時間がまだ残っていたのでこう言われた。
「もう少し休んだらどうだ?」
「折角だしな」
「もう少しどっかにいてもよくないか?」
「いや、もう充分楽しんだから」
 僕は皆に笑顔で答えた。
「だからね」
「いいんだな」
「もうか」
「それならか」
「今からまた店で働くか」
「そうするんだな」
「うん、そうさせてもらうよ」
 僕は皆に笑顔で答えた。
「これからね」
「そうか、じゃあコーヒー淹れてくれ」
「また注文来たんだよ」
「コーヒーが今一番人気でな」
「どんどん売れてな」
「また注文来てるんだよ」
「だからな」
「三つ淹れてくれよ」
「それじゃあね、しかし本当にね」
 ここで僕はあらためて言った。
「コーヒーも文明開化って言うとね」
「売れるよな」
「実際は出島とかじゃ飲まれてたよな」
「江戸時代とかにな」
「そうだったよな」
「それで通詞の人達も飲んでいたみたいだよ」
 出島に出入りしている幕府の人達もだ。 
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