蘇った邪教
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第四章
「私の得意分野やな」
「ガブリエラはキリスト教系だからね」
「メイジでもな」
「あっちの教義に詳しくて」
「聖属性の術もな」
そちらもというのだ。
「得意やから」
「それでやね」
「キリスト教系なら聖属性の術をよお使うけど」
「そちらもだね」
「弱点とかわかってるから」
それでというのだ。
「そこを攻めていこうか」
「それじゃあね」
「ではですね」
大佐がここであらためて二人に言ってきた。
「これから」
「後つけていこうな」
「そうしましょう」
大佐はガブリエラの言葉に頷いた、そのうえで。
ガブリエラとアマードを案内してだ、そうして教団の者と思われるその不気味な色の服を着た者をつけていった。この際姿も音も術で消していたので気付かれることはなかった。
それでだ、後をつけるとだった。
男は洞窟に入っていった、大佐はそれを見て二人にさらに言った。
「では」
「洞窟の中にな」
「入りましょう」
「そうしような」
こう話してだった、三人で洞窟の中に入った。この時も三人は姿も気配も消していたので襲われることはなかった。
それで洞窟の中を見回しているとだった。
教団の者達だけでなくガーゴイルやリビングスタチュー等石像系のモンスターが今は動かないが有事に備えてか置かれていて。
モンスターの檻もあり怪しげなカトリックの形をしているが色彩が明らかにおかしい祭壇等もあった。
十字架にかけられたキリストの前にもだった。
子供の生贄の像があった、ガブリエラはそうした洞窟の中、キリスト教の寺院の様に造られているその中を見て言った。
「これが邪教やな」
「そうだね」
アマードはガブリエラのその言葉に頷いて応えた、二人と大佐は今も姿や音を消していて小声で話しながら中を進んでいる。
「ガブリエラの言う通りにね」
「キリスト教系、カトリックを歪めたな」
「邪教だね」
「もう滅んだ筈やったのにな」
「どうしてまた出て来たか」
「そのことも気になるし」
「それじゃあね」
「もっと調べていこうな」
「そうしようね」
「人を生贄にし他者を認めず破壊と殺戮をよしとするなら」
大佐は強張った声で述べた。
「最早です」
「存在したらあかんな」
「まさに邪教です」
それに他ならないというのだ。
「ですから」
「ほんまにな」
「ですから」
「ここはな」
「絶対にですね」
「この連中倒していこうな」
「その前にだね」
またアマードがガブリエラに言ってきた。
「僕達は」
「この教団のこと調べような」
ここでだ、そっとだった。
ガブリエラは近くにいた教団の者に術をかけてその思考を読み取った、そこにある教団のこれまでの歴史の部分を読み取ってアマードと大佐に話した。
「数百年前に当時のここにあった国に徹底的に殲滅されてな」
「そうしてだね」
「殆どおらん様になったが」
「生き残りがいて」
「ずっと細々とこの辺りに隠れて生きてきて」
そしてというのだ。
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