| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十四話 結核でその七

「少なかったけれどね」
「伊藤さんとか山縣さんとか」
「死んでいったからね、ただね」
「ただ?」
「実は幕末からあの戦争までそんなに離れてないんだよね」
 時代としてはだ。
「これが」
「ああ、半世紀もないのよね」
「吉田松陰さんが死んでから五十年後にね」
 丁度それ位だった。
「伊藤博文さんも死んでるから」
「撃たれてね」
「松陰さんは処刑されて」
「二人共残念よね」
「残念な結末もね」
 二人共それぞれそうだった。
「半世紀位しかね」
「離れてないのね」
「黒船で驚いていたのが」
 見たこともない凄い船が来たとだ。
「それがね」
「半世紀で、なのね」
「そこまでなったんだ」
「凄い変化ね」
「今も凄いけれどね」
 半世紀前と今を比べるとだ。
「カラーテレビが完全に定着してね」
「その頃から見たら」
「今もね」
「かなり変わってるわね」
「そう、今はスマホがあるから」
「今だって五十年前と比べたら」
「相当に変わってるよ」
 別の世界と言っていい位にだ。
「コンピューターだってね」
「昔は滅茶苦茶大きかったのよね」
「そうだったのが」
 三十年前で何十万円もしてしかもウィンドウズがなくてPC80801とか9801とかXシリーズとかFMシリーズに分かれていてMSXなんてのもあったらしい。
「それがね」
「今じゃ小さいわね」
「コンパクトで」
 昔のパソコンを見たらかなり違う。
「それで何といっても」
「スマホね」
「そう、スマホがね」
 あるからだ、今は。
「全く違うよ」
「五十年前と比べたら」
「それで当時の日本も」
「幕末から五十年で日露戦争ね」
「半世紀で」 
 人の一生の間でだ。
「全く変わって」
「運命の戦争を行ったのね」
「それで何とか勝ったんだ」
「そう思うと」
 どうかとだ、チェチーリアさんはこう言った。
「幕末や維新は」
「この二つのことはだね」
「日露戦争で勝つ為の準備だった?」
「ああ、坂の上の雲を」
「掴む為のことだったのかしらね」
「若し幕末がなくて」
 それでだ。
「維新もないと」
「日露戦争もよね」
「勝てなかっただろうね」
 また違う歴史を歩んでいてだ。
「若しかしたら」
「そうよね」
「とにかく当時の日本は常に外敵を意識していて」
 それでだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧