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八条学園騒動記

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第五百二十一話 おもちゃ屋の二階その九

「もうね」
「やるしかないから」
「それでだったみたいだよ」
「たった三人でやったのね」
「うん、スケジュールも滅茶苦茶で」
「予算もなくて」
「それで制作して」
 そしてというのだ。
「何とか出来たけれど」
「そんな状況だとね」
 パレアナも話を聞いて納得した。
「それこそね」
「もうとんでもないね」
「作品になるわね」
「クソゲーの中でも」
 只のクソゲーでなく、というのだ。
「最悪と言っていいね」
「そんなゲームになったのね」
「無理矢理過ぎたんだよ、何でも社長さんもね」
「お仕事断ろうとしたのね」
「だって無理だから」
 社長もそう思ったからだというのだ。
「それでね」
「断ろうとしたら」
「ほら、版権ゲームって言ったよね」
「漫画とかアニメが原作の」
「そっちの依頼だったから」
「下手に断ったら次の仕事がね」
「そこからなくなるかも知れないから」
 それでというのだ。
「断りきれずにね」
「受けざるを得なくて」
「何とか制作したみたいだよ」
「スタッフ三人しか回せなくて」
「他のゲームから手の空いた人を回して」
 そしてというのだ。
「何とかね」
「三人来てもらって」
「その三人とね」
「もうギリギリのスケジュールで」
「それでお金もね」
「そっちもだったのね」
「何とか用意した分だけで」
 足りる足りないの問題ではなく、というのだ。
「制作費にして」
「やっていって」
「何とか制作したらしいんだ」
「酷いお話ね」
「全くだよね」
 ジミーはプレイを続けつつ応えた、流石に完全無敵だとどういったゲームバランスでもすいすい進める。
「色々なしがらみが生んだクソゲーだよ」
「そこで悲劇って言わないの」
「傍から聞いてたら」
 その範囲では、というのだ。
「悲劇じゃないよね」
「まあ喜劇ね」
「基本人に起こったお話は喜劇だから」
「自分に起こったら悲劇で」
「こうしたお話はね」
 第三者から見ればというのだ。
「だからね」
「悲劇とは言わないのね」
「僕はね」
「だから喜劇って言うのね」
「ちなみに同時期のそのメーカーのゲームは」
 何作も作っていたそれ等のゲームはというと。
「名作揃いなんだ」
「そのゲームだけなのね」
「頭抜けて酷くて」
 それでというのだ。 
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