ジェダイの教授 ースカイウォーカーの子孫たちー
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遠い遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・・・・。
遠い遠い昔、遥か彼方の銀河系で……。
ある、フォースの卓越した、ジェダイがいた。彼を尊敬と畏怖を込めてアルバトロス教授と呼ぶ。ジェダイ評議会が彼のフォースとライトセーバーの理論と技法に関してそれにふさわしい称号が「教授」であった。そして彼のフォースの理論と技法を「アルバトリコン」という。彼の理論と技法を学ぶものはジェダイでも有数の卓越者となる。
アルバトロスが金属製の棒を高速で回転させていた。その回転はもはや棒を円盤のように見せてもいた。
「先生、何をしているのです」
「見ての通り、単純なフォースの使い方だがこいつをどうやって防ぐかね」
「ライトセーバーで中心を真っ二つにすれば」
「ほう、では受けてみよ。我がパダワンよ」
「はい!」
白い道着のまだ幼さの残る青年は青いライトセーバーを構える。
「1つ言っておく」
「はい?」
「死ぬなよ?」
「は?」
教授はその円盤をそのまま、円を描くように回し始めた。
「う、ああ!」
白い道着のまだ幼さの残る青年は青いライトセーバーを構える。
その円は二重の円盤にそしてそれをまた円を描くように、三重になった円盤をそのまま、円を描くようにパダワンに飛ばした。
パダワンはライトセーバーではなく、フォースでその軌道を止めた。しかし三重の回転は止められない。なんとか自分へ来るのを抑えているだけだ。すると教授はそこに自分の持っているライトセーバーの一本を投げた。それがその円盤の中心を切り裂くとものすごい勢いで2つになった三重の回転のかかった棒が2つ出来た。
パダワンのフォースでは止めきれず、すかさず2つの円盤がパダワンを襲う、しかし教授の一番弟子である。ライトセーバーを稲妻のように使い、1つを斬ってからもう一つに剣閃の軌道を変えて斬る。
「ほう、だが斬るだけではこの技の本質は見きれてない、しかしよく捉えた」
教授はフォースを止めると4つの円盤の動きはとまって空中にピタリと4つの棒の破片を停止させた。
「わかったか、私クラスのフォースになるとある程度のパワーに方向と発想を与えるだけのテクニックを加えて、スピードにフォースの力を傾ければこうなる。1つの回転を覚えるだけで、おまえの真っ正直な技は格段に強まるだろう。心を火で鍛え水で極める。そうすればおまえのこころは強くそして柔軟に、あらゆる世界を映し出す水面になる」
「はい!」
「む、飛び散った小さな破片がお前の脇腹をえぐったようだな」
「う、ぐう」
「動くなよ」
教授が手をかざすと、傷は跡形もなくなくなった。
「どうやったんです?傷を治したなんて?そんな高度なフォースをどうやって」
「細胞を癒す周波数を使い傷を治す。まあ、それは熟練者のやり方だ。おまえでも、こういう外傷は、細胞レベルでただ配列を動かして整えればよいのだ。それならエネルギーのロスなく傷を治せる」
「教授は、実にすごいフォースの持ち主ですね」
「いや」
「アルバトロス」
「おお、これはマスター・ヨーダ」
「おまえさんのフォースの力は、少し力に頼りすぎてはおらんか?わしからすれば自身でもコントロール不可能なまでに力を加速させているように見える。それは危険だぞ」
「これはヨーダともあろうお方が、年のせいか、少し臆病になりましたか?アナキンの影が最近のあなたに不穏な影をフォースに与えている気がしますぞ?」
「いいや、フォースの力を増大させるより自身の精神性を上げることで心の平衡を保ち、無我の境地に至ることで自身と宇宙の統合を目指しておるのじゃ」
「ふむ、ですがクワイ・ガン・ジンの亡き今、あのものが黄泉の国から帰ってくるまで、オビ・ワンにアナキンを任せるのはどうでしょうか」
「なにか問題かな?アルバトロス」
「クワイ・ガンなればアナキンの心の弱さを見いだせたでしょうが、オビ・ワンはアナキンの心の陰りに気づかぬまま、アナキンの能力の高さに意地になっている様子。師というよりライバルや親友のように接しています。それもどちらかといえばアナキンの賢さに煙に巻かれているようだ。オビ・ワンのよいところは、成長は遅くとも、必ず自分を正しい方へ導くところです。しかしアナキンの力は巨大すぎるし、心も不安定なままだ、なぜパドメの護衛を任せたのです?アナキンは彼女に恋をしています。未熟な二人が心が成熟するまえに間違いを犯せば銀河系で暗躍するシスに漬け込まれます」
「そなたはではアナキンをどうみる」
「ですから、前にも申したとおり、アナキンをよく知るものを何故わたしに合わせてくれぬのです?」
「アナキンをよくしるものというとジャージャー・ピンクスをそちらへやっていると思うが」
「ふう、あの間抜けな頭にわかるように話して聞き出したところ面白いことをいいました」
「なんと言ったのじゃ」
「アナキンは、タトゥイーンに帰りたがってるのよ、とジャージャーが」
「タトゥイーン、まさか故郷が恋しいとな」
「ヨーダよ、あなたの若い頃を知っているから言うのです。あなたの場合、あなたの種族の中では最後の生き残りだった。だから使命感からして違っていたし、肉親がいないというところから自分が正しくあらねばならないという観点で強いジェダイになっていった。だが調べたら彼にはポッド・レースで優勝して奴隷だった自分を開放してジェダイにしてくれたクワイ・ガンには感謝しているがしかし、オビ・ワンに対しては完全になめきっている」
「そうか、しかし気があっているように感じるが」
「ふむ、たしかにそうも言えますが。ではあのアナキンの心の不安というよりもは恐怖からの焦りは一体なんです。クワイ・ガンがアナキンを発見したタトゥイーンにいけばそれが見つかると思うのです」
「では教授、パダワンをつれてタトゥイーンへ行け」
「いいのですか」
「わしは、今アナキンの心の隙間を埋められているのがパドメだと思っておるしかしそれもどうもちがう、なにがあのものにあんな焦りと苛立ちを……」
「わかりました。シェル・ワン、すぐにタトゥイーンへの戦闘型宇宙航行船を用意しろ」
「はい」
「たのんだぞ、アルバトロス」
「わかっております」
マスターヨーダが部屋を出ていくと、アルバトロスは部屋の影に、目をやる。すると心なしか影は薄くなりそしてすこし部屋が明るくなった。
「教授、これは?」
「どうやらシスの監視があったようだ、だがこちらが気づいていることに気づいた瞬間に術を解いたか」
「な?では二人はシスが見ていることをしっていて?」
「気をつけろ、奴の暗黒面の力はこの銀河のいたるところに及んでいる、あのヨーダが昔のような冒険心を抑えそしてあのようにフォースの重鎮のように振る舞っているのも、本当はもうアナキンの不安定な心が何を欲しているのかもわかっておる、だからわしをタトゥイーンにおくるのじゃ、シェル・ワンおまえはタトゥイーンへ一番はやく行ける高速船を手配せよ、戦闘力はなくてよい」
「な!?敵の追撃にあったら」
「ふ、わしに考えがある」
高速船に乗り込んだ二人、いきなりハイパースペースに突入した。
「ステルスモードオン。通信や外部接続類を全て切れ」
「全てってシールドもですか?」
「シールドは前方に最大出力」
「わ、わかりました」
「あと、航行の際のログもすべて抹消しろ。この船の登録証もだ。これよりこの船はわたし個人の隠密機動に使う」
「はい」
ハイパースペースに入った船は、三秒間の航行で銀河を三つまたいで即座にタトゥイーンの星系に入った。
「シェル・ワン。気を付けろ。いたるところに伏兵がいるようだ」
「レーダーに反応はありませんよ」
「シェル・ワン。おまえはフォースの何を学んできた。レーダーに映らずとも敵意を感ずれば自ずと相手の位置がわかる。よいか、己が身を預けている仲間がいつシスの軍門に下っているかわからぬこの戦場では数分前、味方だったものから敵意を感じたら即座に反応せよ。シスは何か企んでいる。現共和制中央政府の最後の砦であるジェダイを抹殺する秘策を何か持っているに違いない」
「ジェダイを抹殺する秘策?」
「今、オビ・ワンがトリニティー・カレッジにて不思議な惑星を見つけた。惑星カミーノという表面構造が全て海の惑星だ。その位置をヨーダはパダ・ワンを使って特定したがヨーダも私もそこに何かの巨大なダークサイドのフォースを強く感じた。シスは何かをあそこに隠している。この話は表向きにはジェダイ評議会の未開惑星調査となっているが、シスは我々、ジェダイに対しての最強の手札を用意しているということだろう。奴が自分の持っている手札を見せたり行使するときは、必ずそれ相応の見返りがあるときだ。ダース・モールを差し向けたときは、クワイ・ガンがやられた。奴は我々に傷を負わせることによって怒りや憎しみなどの負の想念を焦りと恐怖とともに呼び覚ますことを最大の手段としている。目の前でクワイ・ガンの死そしてダース・モール自身の死を二人の未来あるジェダイに焼き付けることにより、二つの魂に二つの目的を与えた。一方は、師の道を追従する道。もう一方は精神的な支柱の早すぎる死による恐怖への道。私には見える二つの魂をシスは互いにぶつかり合わせより強いジェダイを残そうとしている」
「まさか、クワイ・ガン様の死すら利用しているというのです?」
「それどころか、人の意思や恋心、良心によって生きる魂の力、人がライト・サイドと呼ばれる力さえ、暗黒面へ突き落すために利用する。奴はもはや共和国政府の意志の弱い政治家たちなどどうにでも操れる。奴の本来の力は人の意思の誘導だ。奴が放ち続けている暗黒の波動は人を悪い想念に駆り立てる。
わしら、ジェダイはみな精神の修養を胸としているからそれに気づかんが、シェル・ワンよ、一度貧民街がスラムなどに足を踏み入れるがいい。あそこには人間の浅はかな欲望やさまざまな雑多な想念が入り乱れている。それをたどるとある意思に到達する。暗黒面の意思だ。われわれは、人の魂の救済をし続けながら戦っていかねばならん。さあ、戦いだ。ドロイドの連合艦隊につっこむ。目標のタトゥイーンの地表まで速力を落とすな。この機体は多重ステルスによってレーダーに映りにくい。わしは我がフォースの威力を見せつけよう。プロフェッサーの実力とくとみるがいい」
ドロイドの連合艦隊は、プロフェッサーのフォースの力によってあれだけの艦隊の包囲をいとも簡単に崩した。
「マスター、どうやったんです」
「何、艦隊の出力コンバーターをショートさせたのだ。いいか、フォースの力を過信するな。より大きい力の行使は自身を疲弊させる。それよりもフォースの力の作用点を見つけよ。わしほどになれば、距離と巨大さを無視して相手の一番の弱点だけを破壊することができる」
「はい、マスター。一つ思いつきました。アフターバーナーを切りましょう。もうタトゥイーンの重力圏内です。重力によって自由落下すれば、燃料を節約できます。姿勢制御は、私のフォースをジャイロスコープに連動させましょう」
「よし、アフターバーナーを切れ。大丈夫だ。フォースを連動させなくともある程度は操縦管に意識を集中させれば姿勢制御になる、いいか力を抜け、いつものように意識を超越させるのではなく、意識のひずみに自分の支柱をひっかけよ、良いか集中とは消耗させることではなく生産することだ!」
「マスター。大気圏内に突入!船体先端部、加熱!熱量上昇!」
「大丈夫だ、この船は、耐熱セラミックで先端を作ってある。突入時の摩擦に強い」
「マスター!?まさか、全くの防御スクリーンを展開せずに旧時代的な突入をするのですか?この船は星間航行用超高速用船ですよ?」
「大丈夫だ、船体の摩擦係数を私のフォースによってゼロにしておる。見ろ、船体先端部の熱が収まっている」
高速船は、全くの熱と光を出さずに、そのまま、タトゥイーンの砂漠に落ちた。
「うう、マスター。なんで私たち生きてるんです?」
「この船内の慣性のベクトルをゼロにした」
「マスターはいったいフォースの応用ならどこまでできるのですか?」
「ふ、昔は、超新星爆発やブラックホール、反物質の対消滅さえ、無傷で乗り切ったこともある」
「師よ、あなたとヨーダがもし本気で戦ったならどうなります?」
「はは、勝負はたとえ千日戦ってもつかなかった。お互いの手の内を知り尽くしておるからな、シスの奴は仲間割れによる同士討ちを最も得意とする。それによって何度か戦ったが、お互い強大なフォースの持ち主。ダメージを受けたのはシスの方だ。我ら二人分の力の反動によって幾度も消し飛ばされそうになっておったよ」
二人は船体の状態を見たが、特に故障している箇所は見当たらない。
「どういうことです?隕石と同じ衝撃が船体に走ったはず」
「しかし、クレーターなど出来ていないぞ?お前も心配性だな、重力を逆転させたのよ。この船は揺るかやな速度で自由落下し、直撃の瞬間、慣性をゼロにし、重力を逆転させたことにより、そのまま不時着させた」
「そんな、そんなことが個人のフォースだけでできるのですか?ヨーダやマスターなら可能なのでしょうか?」
「確かにそれくらいなら、できないこともない。ふむ、そろそろおまえもジェダイの奥義というものを伝授する時がきたか。正直言って。ドロイドの連合艦隊は全て生きているし。シスの手先のようなものの存在も感じる。おまえにも少し頼りになるくらいには強くなってもらわねばな」
「ジェダイの奥義、そのまえにシェル・ワン。おまえはジェダイの歴史をどのくらい知っておる?」
「はい、わたしが教授に教えを受けるようになり調べられる限りのことは調べ学びました」
「では、シスとジェダイ・オーダーの戦いの中でなぜ、ジェダイはシスには屈しなかったか。両者の戦いははじめからシスの優勢だった。なぜなら己の力の行使にシンプルなアクセスをする言えば激情に任せたフォースの力それにシスのフォースの文化や魔術的要素を兼ね備えたシスたちはもはやここがマスターに匹敵した。しかし、ジェダイの起源は、哲学者や宗教家、賢者、僧、科学者、戦士の集団だ。それらの精神性とテクノロジーを統合していった結果原始的なフォースの原型とジェダイの起源になる。ライトセーバーと呼ばれるものがなぜジェダイの主装備になったのかも。精神性を考えると棒や剣といったものがジェダイには合っていた。フォースについても精神性の極限のところに万物に眠る力を呼び覚ますことによって得られる力であった。よいかミディクロリアンの数値などはどちらかといえばシスの教義だ。シスはどこまでも個々の潜在的な力に固執しておる。古代のシスたちは、生まれながらにしてフォースを操る民族であった。そこに暗黒面に落ちたジェダイが神となり、今日のシスになった」
「しかしな、やつらはフォースというのは万物全てに宿る力であるということを見落としてしまった。あやつら、この砂漠の砂の一粒にまでフォースがみなぎっておることを知らぬ。霊界の深奥にフォースの巫女たちがいることもやはり知らぬ。奴らはすでに自身を地獄と呼ばれておるところに落とすことによってフォースを得ている。シスの門をくぐるものは多くの生を奪うことによってシスの第一段階を得る。おまえはそっちへ行っていかん。よいか、今からフォースと呼ばれている力の本質を見せる」
アルバトロスはタトゥイーンの砂漠の砂を一握り救った。それをただ風に舞うのを任せるように散っていくのを見ると。次の瞬間驚くべきことがおこった。
一面の砂漠の砂が光り輝き始めた。白くまばゆい光放ち始めた。
アルバトロスは、最初は低くろうろうと歌い始めた。そしてそれはだんだん甲高く猛り奮い起こすように厳格な呼びかけとなってあたりに木霊し始めた。アルバトロスの体は宙に浮かび、自前の七本のライトセーバーがアルバトロスを中心に回りだし、そして一本の流木から作られた杖が中心になってアルバトロスが天を指さすと、空はにわかに曇り暗雲が雷鳴ととともに嵐を起こした。砂漠の砂は巻き上げられ光の竜巻となって荒れ狂い始めた。
目の前で起こっているすさまじい光景を目にしているシェル・ワンはこの周辺に聖なる意思をそこかしこから感じる。もはやアルバトロスの体は白く輝き始め、声は何かの生命の雄たけびのように響き渡っている。そしてそのもっと上空から透明な光がいくつもアルバトロスのところへ集まっていく。そこには確かにクワイ・ガン・ジンの姿まで見えた。なにか聖なる存在、巨大な何かそんな存在が自分の目にもフォースにも感知できないが唯一魂の深奥だけがそれを知覚できた。自分の魂が喜びに震えている。
「シェル・ワン!これがフォースの本質だ!万物全てに宿っている力を呼び起こせばいまここにこそ神はおられり!ここに邪悪なるものは一切はいってこれん!よいか!魂で感じ取れ!そしてそれを宿せ!お前の中にこの力を流し込め。さあ、感じろ。心のままに!」
「師よ、そして精霊よ、神よ、万物よ、私はいまこそ悟り得ました。ありがたき幸せ!まことのよろこび!至上の慈悲!私はここに体得しました!」
するとそれらは緩やかにまるで全てが眠りについていくように閉じていった。
そして気づくとアルバトロスの微笑んだ顔があり、気絶していたシェル・ワンを見ていた。
「分かったろう。万物の全てに宿っているものがフォースなのだ。自身の呼びかけによって眠っていたものを呼び覚ます技を学べば我らの力は無限だ。今なら全宇宙の全てが感じ取れるだろう」
「はい、私の中の世界がこの全宇宙のようになりました。おお、世界とはなんと多くの声に満ちているのか」
「さあ、行こう。アナキンの母の下へ」
「マスター、この先にシスの配下が三人」
「お前に任せる」
「はい!」
シスの配下の三人の黒いローブの者が、ライトセーバーを天にまっすぐ突きあげた。赤い三本の光が天に掲げられる。
アルバトロスは、三人に全てに一発づつ、突きを入れた。
「フォースで内臓器官にダメージを与えておいた。そやつらの実力の半分も出せまい、一対多の戦いに慣れておけ。引き際を誤るな」
「はい!」
三人の赤い閃光が青い閃光に圧倒されている。今のシェル・ワンの実力はジェダイ・マスターに匹敵する。
アルバトロスはフォースの力で脚力を上昇させ、砂漠を砂埃を上げながら一直線、進んだ。
「近いな……」
アルバトロスのフォースはもはやどこにアナキンの母がいるか分かる。ドロイド軍がサンドピープルに母を引き渡している。
「ナンダ、アレハ?」
それは弾丸になって二つのライトセーバーによって一瞬で10数名のドロイド兵を切り刻んだ。
「ジェダイ、ジェダイ。ナゼ、コンナトコロニ」
「あなたはシミ・スカイウォーカーですね?」
「はい、助けに来てくれたのですか?」
「そうです。さあ、この惑星は今やドロイド軍に囲まれている。本隊がやってくるまえに私の船へ」
「夫が、夫の家族はまだここにいるの、それにこの星にドロイド兵はなにかを見出したらしくて」
「なに?それはどういうことです」
「オイ、コッチヲムケ」
アルバトロスはそのまま、ライトセーバーを三本投げつけ三本のライトセーバーが勝手にブラスター砲を防ぎ、ドロイド兵を倒していく。
「さあ、かせを外します」
ライトセーバーでかせの金具だけを破壊した。
そしてリモコンを作動させると宇宙船が飛んできた。宇宙船は二人の前ですうっと止まり。着地した。
「さあ、母上。これからあなたは連邦のジェダイ評議会でかくまわれます。おっとBB3、アレを」宇宙船から出てきたのシミにそっくりとヒューマノイドだった。
「これは?」
「偽装です。あなたが突然いなくなれば、シスが気付く。そうなれば全宇宙が危ない。しかしこの陽動が上手くいってもあなたの息子はシスの最強の手ごまとなって長い間全宇宙に暗黒時代が来るでしょう」
「息子と会えないんですか?」
「今はまだ。情勢はマスターヨーダが呼んだより悪いのです、惑星カミーノで我々の軍が作られておりました」
「軍?」
「それは、船に乗ってからです」
宇宙船は二人を乗せると砂塵一つ巻き上げないで高速で地平線を突破した。
三人の黒いシスに囲まれた、シェル・ワンは自分のうちにみなぎる力を感じた。それがなんなのか分からない。
しかし、相手が出ようとする矢先、シェル・ワンの意識が鋭くそちらへ向けられる。するとまるで壁にぶつかったように敵の攻撃は阻まれた。
たしかに内に眠る力はつよい。だがフォースの消耗は戦いに大きく帰結する。ならばライトセーバーで。
シェル・ワンはなんどか打ち合ってみた。まるで遅い。早すぎるんじゃない。相手が遅すぎるんだ。遅すぎるため、一人斬ってしまった。
なんの抵抗もなくシスが一人やられて二人は動揺している。
「ジェダイはヒトゴロシだな」
「大丈夫だ。私の剣が迷えるあなたの魂を導く」
「な、それが・・・・・!」
「よい来世を」
その一言でシスは、この者にはジェダイ特有の甘さがないのがわかり逃げていった。
すると高速艇が、シェル・ワンの前ですうっと止まった。
シェル・ワンはもうぼろぼろである。教授は何食わぬ顔でドアを開けると。
「いくぞ、我が弟子。シスを一人とはいえ滅ぼした。よくやった。今は休め」
「教授。ですが……」
「あとは任せろ、それとも」
「あ……」
「任せられんか?」
「いえ」
「よし」
宇宙船はすばやく惑星を脱出した。ドロイド軍はたった一艇の高速艇を捕まえられなかった。
「今は、高速艇の中です。この中でなら会話もシャットアウトされます。BB3 マイクは全部OFFにしてあるだろうな」
「ハイ」
シェル・ワンは教授から聞いた話を思い出していた。昔、タトゥイーンのポッドレースで優勝していること。タレヤの戦いの中で秘密工作員たちを全て欺いて一切の情報を漏らさず、敵軍に勝利を導いたこと、そのあと味方からも消息不明とみなされていたが、ジェダイ聖堂で茶などすすりながら弟子を育てていたこと。
(この人に、敵う人なんているのだろうか)
「わたしが絶対に勝てない敵が一人いるのです」
「え、教授?」
「お話しいただけますか?」シミは息子のことが気がかりで心配で胸もつぶれそうなのだった。
「シスの暗黒卿がなぜ生まれるかご存知ですか?」
「いいえ」
「あれは、今のジェダイがシスの技について不勉強だからです」
「な!師匠。それは規約違反ですよ!」
「ほら、この通り。道を求めるものにとって禁忌を犯すことを恐れる脆弱な思考。これが今のジェダイです」
「な、なにをいってあなたはさっきフォースの奥義をみせてくださったじゃないですか」
「ま、そうだただ人間、正しいことばかりするのが本当かな?」
「そりゃ、間違ったこともしますよ、でも……!」
「悪を否定しては、シスを理解してないのと一緒ではないか?」
「理解する必要はないです」
「じゃあ、なぜシスは生まれる?人の心が絶望に打ちひしがれるとき、そのとき人間は、どうする」
「それは、人を呪いたくなります。けど真のジェダイならばそこでちゃんと正しい道に立ち戻るはずです」
「まってください」
シミが教授を制止させた。
「教授、あなたはシスではないですよね」
「もちろんシスではないよ。シェル・ワン、それがアナキンを蝕んでいるものだ。母の死はそれのトリガーだよ」
「ではなぜ、ここにお母さまを」シェル・ワンはいった。
「私はちょっと嘘をついた。アナキンがここにくるのは、ジオ・ノーシスの一件のあとになるだろう。シェル・ワン、占術の講義をさぼっておるからこんな簡単な未来予知もできんのだ」
「教授、本当のことをいってください」
「私が、母上を連れてきたのは、あのタトゥイーンでの母の死をマスターヨーダが予見したからなのだ、シスは狡猾だ。シミ、あなたの死をもって不安定なスカイウォーカーには十分すぎるほどの暗黒面への誘導ができる。正直、弟子の中でもアナキンは飛びぬけた存在だ。アナキンが何の心配もない好青年であればわたしたちは、彼をマスターにしていただろう。しかし、彼は我々の下へ来た時から不安定だった。初めて見る都市。初めて見る自分には不可解な者たち、熱くも寒くもない気候。それらが彼の恐怖をあおっていた。クワイガンは、自分の死期が近いことを知ってその発見から有頂天になってしまった。焦っていたともいうだろう。そしてジェダイとしてやってはならないことをした。我々、マスターからみればあれはシミ、あなたからアナキンを強奪したのだ。アナキンの冒険心を利用してそして実はアナキンはどうしてあなたを一緒に連れて行ってくれないのか、不思議だったのだ。それがだんだんと不満になり、憎しみにかわっていった」
「そんな、それじゃアナキンが危ないということですか?」
「シミ、分かってくれ。我々ジェダイも長い時の中で化石とかしている。失われた秘術も多い。我々には優れた弟子が必要だった。あなたの息子も……」
「分かってます。ジェダイになるといって飛び出したあの子です。わたしはあの子の心が読めますわ。あの子はただ拗ねてるだけ。わたしを失いたくないとかジェダイは規則が多すぎるとか初めから知ってて飛び込んだくせにそれらの修練に自分が負けそうなので拗ねてるんですわ。わたしはあの子の育て方間違えましたわ。小さい時から勝気で勝負事に執着が強く目先の勝利に心を奪われる。そんな子供でも私にとっては可愛くてしょうがなかってんですけどね」
「あなたは、良い母だ、賢母とさえいえる。今のジェダイ評議会に必要なのは英雄ではありません。良き母です。今、若い弟子たちの中で慢心が流行しています。マスターの批判を聞かないで己の能力だけで突進していくこんなものではなかった。あの子たちもまたみなしごや母を捨てたものたち。アナキンは才能があるといってもそれはほかの弟子たちも同じこと。全宇宙から集められたものたち。しかし本来のジェダイは子供としての家族への愛を受けながらジェダイとしての訓練も受けていくものだった。そうしなければ心の平均がとれない。フォースは神秘の力。だれにでも備わっておる。そしてそれが強い思いによって働くのだ」
「母上、フォースというものがどういうものか、言葉では無理なんですよ」
「無理?あなたたちの最大の強さの源でしょう」
「正直、フォースを科学的に解明しようとしたこともあります。恐ろしい的中率で優れた戦士を生み出しました。でもそんなものは優れているとはいいません。ヨーダもアルバトロス教授も心の安定がフォースを生むと考えています。教授の理論は、しっかりした愛のもとで育まれた純粋な魂が土台になっているのです。
「わたしにフォースを教えてくださいませんか先生」
「私が母君に」
「あの子を叱ろうにも自分に何の力もない者に心を開くとは思いません」
「いいでしょう、母親の愛の強さは技の習熟を早めてくれるでしょう。では心を集中させ、静かな水面のように。息は静かに……」
シミのジェダイの修行を教授は請け負った。
ジェダイ聖堂で、他でもないマスターヨーダが三人を出迎えた。
「ああ、シミ・スカイウォーカー。お初にお目にかかります。私はヨーダ。ジェダイの騎士です」
「身に余る光栄です。まさかマスターヨーダにお目にかかれるなんて。それでマスターヨーダ。わたしはどうすればよいのですか」
「アナキンは深い悲しみの中で不安にさいなまれている。しかし今はシスの監視と誘導が厳しい。アナキンのそばには必ずシスがいる。あなたとシスを合わせれば、シスは必ずあなたを殺しにかかる。それはまずい。しばらくジェダイ聖堂で修道女として生活なされよ。フォースも学べる。アルバトロス。ジオ・ノーシスに派遣されたクローン兵はアンドロイド兵に対して目覚ましい活躍を果たした。そうジェダイの力をしのぐほどに。ここは監視の目が多い。どうじゃろう。修道女の教師の枠が開いておる。ジェダイの楯持つ乙女の教師には、お主ほど適任はおるまいて」
「はい、マスターヨーダ。仰せのままに」
それからクローン兵のおかげで快勝があった。しかしアナキンは着実に暗黒面の誘いに乗ってどんどん自我を膨らましていった。クローン兵の反乱がおこり、アナキンが疑似的な母を死なせ、マスターウィンドウがアナキンのまさかの裏切りによる死を迎え、アナキンは一人ジェダイ聖堂のパダ・ワンも虐殺した。シスは隙を見せなかった、アルバトロスはヨーダの悩みを知った。アルバトロスの計画はアナキンを改心させることではなかった。どの未来を見てもシスの天下でアナキンがダースベーダーとなる未来しかないのだった。
それによってシミは、その後、修道女たちとともにスカイウォーカーの直系の子孫とともにそののちに起こる大戦を生き残りそしてその子孫を後世に残す風を歩く子らの一団を創った。その一団の聖典となったのがアルバトロス(渡り鳥)の「アルバトリコン」であったのだ。
そして、その子らの中に未来を紡ぐ新しい子が……。
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