夢幻水滸伝
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第九十八話 中国の星達その十二
「おとんもおかんも言ってたしな」
「困ってる人は助けろ、やな」
「下手したら訴えられかねん限りはな」
「世の中そういうこともあるしな」
「そや、それでこの世界でもや」
何だかんだでというのだ。
「やったるわ」
「それが人の道やな、ほんまにな」
美蓮も残のその言葉を聞いて言う。
「義を見てせざるはや」
「その通りやな」
「この世界に来る様になったのも何かの縁」
「しっかりやっていかんとな」
「ほんまにな」
「その脅威がわからんにしても」
白は狼のその顔をやや険しくさせて述べた。
「何とかして救わんとな」
「災害、侵略者、邪神や魔王、邪悪な勢力」
巴は脅威といってこれまで話が出たものをざっとまとめて述べた。
「色々考えられますが」
「それでもやな」
「その全てが来てもです」
「世界を救うか」
「はい、そうせな」
巴も関西弁を出した、そのうえで白に述べるのだった。
「私達がこの世界に来た意味がないです」
「これも何かの縁やろな」
「はい、この世界に呼ばれたことは」
「運命か何か」
「人よりも高位の存在にそうされたことは」
「そのことは間違いないか」
「何もなく異世界に召喚されるか」
例えそれが寝ている時だけでもというのだ。
「そう考えるとです」
「神様かそれに近い存在が拙者達をこの世界に呼んで」
「そうして世界を救ってもらおうというのでしょう」
「そうなんやな」
「私が考えるに海の魔神の様な」
自分達がこの世界に来る前に世界を石に変えて海に覆って隠していたという神だ、だが星の者達はこの魔神のことをよく知らないのだ。
「そうした存在がです」
「この世界の脅威か」
「そうではないでしょうか」
「魔神がまた出て来るとかか」
こう言ったのは曹だった。
「その可能性はあるか」
「零ではないやろな」
張は曹にこう返した。
「やっぱり」
「復活したとかな」
「実は生きていたとかでな」
「それも定番やしな」
「少なくとも世界を石に変えて海の中に沈めるまでの奴や」
「それやったらやな」
「何度も蘇ってもおかしくないしや」
それにとだ、張はさらに話した。
「またそうすることもな」
「考えられるか」
「そうかも知れんな」
「おいら達みたいに他の世界から来た奴でな」
魯は腕を組んで考える顔になっている、そのうえでの言葉だ。
「悪い奴とかな」
「その可能性あるね」
「そやろ」
魯は郭にすぐに応えた。
「やっぱり」
「だって僕達だって異世界から来てるし」
「他の奴もやな」
「それが悪い奴だってこともね」
「有り得るよな」
「それこそ良心の欠片もない様な奴がね」
「アニメや特撮で出て来るみたいなな」
そうした悪役が媒体で登場することは日本でも中国でも同じだ、中国のアニメでも黄金の精神を持つヒーローやヒロインが出るし吐き気を催す邪悪と言うべき悪役が登場する。結局人間が感じる善悪は大して変わりないということか。
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