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夢幻水滸伝

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第九十八話 中国の星達その一

               第九十八話  中国の星達
 今彼等は正倉院にいた、そこで日本がこの院に所蔵している多くの宝を坂口の案内を受けて観ていた。
 羅はその宝達を観つつ隣にいる施に言った。
「中国の昔のものとかあるな」
「ああ、ガラスのもんとかな」
 施もこう応えた。
「あるな、けどな」
「こうしてしっかり保管されててな」
「元々造られた経緯が経緯や」
「こっちの世界では元々神様の持ち物でな」
「しっかり護られてた」
 この世界では正倉院を護る者達が専属でいて護っていたのだ、そして綾乃達が大和を領有すると宰相の太宰の命で念入りに保存されていた。
 それでだ、どの宝も保存状態が極めていい。羅は今このことを言うのだ。
「正倉院の人もしっかりしてるけどな」
「太宰やな」
「そや、あいつはそこまで見てな」
 そしてというのだ。
「政をやってる」
「細かいところ、隅から隅までな」
「そうしたところ見るとな」
「あいつは太平洋に必要やな」
 施も言うことだった。
「実際に」
「どの星の奴もそやが」
「政を考えるとな」
「太宰は欠かせんな」
「伊達に生徒会長やってへんな」
「宰相の器や」
 日本だけでなく太平洋全域のというのだ。
「あいつがおったらな」
「太平洋の政は万全やな」
「それだけで全然ちゃうわ」
「というかだよ」
 兎人で仙人の服を着た者が言ってきた、背はホビット位だ。天霊星郭神暦である。仙人であり持っている神具は相手の動きを止める叫名棍と特別な力を持つ鏡陰陽鏡と知力を飛躍的に上げる書神仙伝である。
 その郭がだ、二人に言ってきた。
「太宰君がいなかったら太平洋全体治められる人いるかな」
「リーもおるやろ」
「あいつがな」
 羅と施は南洋の棟梁である彼の名を挙げた。
「あいつも税磁力かなりあるしな」
「視野も広く先の先まで見てる」
「それやからあいつも宰相出来るで」
「太平洋全体のな」
「それだといいけれどね、僕達やとね」
 郭は関西弁のニュアンスも入れて中国の棟梁達に話した。
「中国は治められても」
「それでもな」
「中国が精一杯や」
「太平洋ともなると」
「無理や」
「だからね、本当にね」
 実際にというのだ。
「太宰君は必要だよ」
「若しくはリーやな」
「リーを宰相にするか」
「それで太宰が副宰相」
「そうするか」
「そうする?それでね」
 郭は二人にさらに話した。
「太平洋全体を万全に治めて」
「国力を備えてな」
「それからやな」
「世界の統一だよ」
「そやな」 
 今度は虎人で青と白の道士の服を着ている者が言った、天暗星である魯舎である。職業は幻術師であり神具は広い範囲を打ち据える鞭である禁鞭、相手の攻撃を弾き返す混元傘そして乗り物であり自分にアドバイスもする空飛ぶ神獣黒麒麟だ。
「政はほんまに大事や」
「悪政敷くとな」
 羅はその場合について述べた。 
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