| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十七話 南洋の会合その九

「敵を防ぐ、若し陣の中に入ればな」
「その時点で終わりね」
「必ず死ぬ、この十絶陣もあるのだ」
 それならばとだ、強い声で言うリーだった。
「勝機はある」
「その通りね」
「ではだ」
「戦略も考えていくわね」
「これから本格的にな、今日は皆かなり飲んでいる」
 かく言うリー自身もだ、かなり飲んでいる。それでというのだ。
「今日はこの宴の後で休むがな」
「それがええな、何かな」
 ロシティーは完全に酔漢のものになっている目で応えた。
「飲み過ぎたわ」
「だからだな」
「もうな」
 これで、と言うのだった。
「明日からやな」
「話をするんだな」
「そうだ」
 まさにと言うのだった。
「本来は今日からだが」
「全員かなり酔ってるしな」
「これでは話にならない、ならだ」
「明日からやな」
「飲む前に話をしてだ」
 そしてというのだ。
「それから飲んでいくとしよう」
「そうするんやな」
「この会議は長引く」
 このこともだ、リーは既に読んでいた。これは日本側の思惑で会議を長引かせてその間に各勢力の状況を細かいところまで調べ把握しかつ各勢力の思惑も知り会議を日本の考え通りに勧め終わらせる為である。
「それならだ」
「その間にやな」
「こちらも戦略を練っておいてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦になるとな」
「その時にやな」
「必ず勝つ様にしておく」
「そういうことやな」
「その通りだ、だが」
「だがっちゅうと」
「何度も言うが戦には相手があり場所がある」
 この二つがとだ、リーはロシティーだけでなく他の星の者達にも話した。
「そのことは頭に入れておくことだ」
「相手も勝つ為に動く」
 テレサがリーのその言葉に応えた。
「そういうことだな」
「敵がどういった相手かは把握する」
「それは絶対のことだな」
「そうだ、そしてだ」
 リーは言葉を続けた。
「戦場の気候や地形、それが海の上であってもだ」
「頭に入れておくべきだな」
「空でもな、そして突如として何が起こるか」
 このこともというのだ。
「わかっておくことだ、あらゆるケースを念頭に置けば」
「いざという時もだな」
「我を失いことはない、我を失えば」
「戦はその時点で敗北だ」
「そうなる、だから各勢力のことも太平洋の地形もだ」
 その両方をというのだ。
「頭に入れてだ」
「策を練っていくな」
「そうしていく、日本にしてもだ」
 太平洋の覇権を争う諸勢力では最弱と言われているこの勢力でもというのだ。
「侮らずじっくりとだ」
「細かいところまで、ですね」
「観てどうして戦うのかをだ」
 リーは今度はダーガーに話した。
「考えていく」
「そういうことですね」
「そして勝つ、何度も言うが最後に勝つのは我々だ」
「南洋ですね」
「南洋が勝ってだ」
 そしてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧