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ゼロの使い魔×ポケットモンスター ネタ

作者:蜜柑ブタ
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『ルイズが召喚したのが、マンキーだったら?』

 
前書き
今回は、マンキー(→オコリザル)。



スランプとネタ切れが来て、結構苦労しました。 

 

 ルイズは、その猿のような生き物を前に、ムチを手にして構えていた。

 相手の猿も細く長い両腕を上げて、爪を出し、鋭い目でこちらを睨んでいる。

 ルイズの身体はあちこちボロボロで、顔や手などにひっかき傷があった。

 ミス・ヴァリエール…。っと、心配する一人のメイドがいた。

 シエスタというメイドだが、彼女は、もうマンキーを手懐けるのはやめた方がいいっと言った。

 しかしプライドの高いルイズは諦めない。目の前のマンキーの手にはルーンが刻まれていた。そう、このマンキーという生き物。ルイズの使い魔なのだ。

 使い魔に出来たのは、爆発の中心地でぐったり倒れていたからできたことで、ルーンを刻むときの痛みで飛び起きた際に一発顔を引っかかられたものだ。

 ルーンを刻まれても、その生来の気性の荒さは、抑えられず、言うことを聞かせるためにこうして苦労しているのである。

 シエスタが言うには、マンキーは非常に凶暴で、意味も無く怒ることから単体でも危険だが、群れをなして手頃な獲物を襲うこともあるそうで、そうなったらどうあがいてもなぶり殺しになるしかないと言われているそうだ。

 さらに、マンキーは、成長する特性があり、オコリザルという個体になると、目を合せただけで怒って追って来るほど危険らしい。

 まあとにかく危ないのにで、マンキーが住む森は完全に立ち入り禁止になっているそうだ。

 マンキーは、ルイズだけにとどまらず、目に付いた人間やその使い魔にさえ牙を剥いた。そんなんだから、使い魔をなんとかしろ!っと苦情が来る。

 それも含めて、ルイズは、必死だった。マンキー御せるようになろうとした。

 身体能力ではまるで話にならず、やがて杖を手に、自分にとって忌々しい爆発の魔法を使って威嚇してみたこともあったが、余計に怒らせただけで、全身引っかかれた。

 見える肌、そして引っかかれてボロボロになった服を着ているルイズがフラフラと歩いている姿に、誰も何も言わなかった。同情めいた目を向けられることにルイズは、ギリッと唇を噛んだ。

 そんな日々が続き、たまりかねて、どうしてそんなに怒るの? 私が何をしたの?っと問うた。しかしマンキーは、藁の上でふんぞり返るように座ってそっぷを向いた。

 そんなある日、シエスタが見かねて故郷にある曾祖父の日記を見たら何か分かるのでは?っと言ってきた。

 理由を聞くと、シエスタの曾祖父は、マンキーとオコリザルを飼育していたらしく、手懐けていたらしい。

 もしかしたらヒントが得られるかもっと、ルイズは藁にも縋る思いでタルブへ行くことを決めた。

 タルブ…っと聞いて、マンキーがピクリッと反応したのをルイズは見た。

 まさか…っと思いつつ、タルブに行く準備をして馬に乗ると、なぜかマンキーが後ろの方に飛び乗った。なんかえらく大人しい。

 やはりか…っとルイズは、自分の予想が的中しそうだと思った。シエスタは、不思議そうにしていた。

 タルブ村は、ブドウ畑があるだけで他はさっぱりした小さな集落だった。しかし、少し離れた場所にうっそうとした森がある。そこには、立ち入り禁止とデカデカと看板が立てられていた。

 時々無視して入っちゃう盗賊とかがいるみたいですけど、誰も帰ってこないらしいですよ?っとシエスタが怖いことを言った。

 タルブに来て森が見えるなり、ルイズの後ろにいたマンキーが飛び降りて森の方に行ってしまった。

 追いかけない方がいいですよ、っとシエスタが慌てたが、ルイズは落ち着いていて、いいわよ、好きにさせるわっと言った。

 宿もないのでシエスタの家にお邪魔し、泊めもらったのだが、その夜、宛がわれた部屋の窓が外側からコンコンと叩かれた。起きたルイズは、窓を見ると、ルイズのマンキーがいた。

 マンキーは、ルイズが顔を出すと、こっちだと言わんばかりに手招きした。ルイズは、着替えてシエスタの家族を起こさないよう外に出て追いかけた。

 マンキーを追いかけていくと、やがて森の中に入る。

 明かりが見え、草をかき分けて行くと、そこには、焚き火を中心に踊っているマンキーの群れがいた。

 ルイズが来ると、ルイズのマンキーが群れの仲間に紹介するように鳴き声を上げた。

 マンキー達は、ピョンピョン跳びはねて歓迎するといった様子でルイズにアピールしていた。

 するとルイズのマンキーが、小柄なマンキーと、ルイズのマンキーと同じぐらい大きさのマンキーを連れてきた。

 ルイズは、自分のマンキーの家族だと理解した。

 だから、ルイズに怒っていたのだ。妻と子から引き離されて見知らぬ土地に連れてこられ使い魔の役目を強要されたことが許せなかったのだ。自分だってそんなことされたら、きっと怒るだろうし、許せないだろう。

 マンキー達が用意した丸太を椅子代わりに座り、マンキー達が森で収穫したと思われる木の実を籠いっぱいに出された。

 ルイズは、マンキー達のもてなしを受けながら彼らの踊りを眺めていた。

 夜が明ける頃、ルイズのマンキーに案内されて森を出ると、シエスタとシエスタの家族が大慌てで出迎えてきた。

 だいじょうぶですか!?っと聞かれて、だいじょうぶよっと答えておいた。

 ルイズは、隣にいる自分のマンキーに目線を合わせ…、ここに残ってても良いのよ?っと言った。

 マンキーは、少し考えるような仕草をし、やがて首を横に振った。

 もしかしたら、夜までの間に、マンキーなりに自分の決意を固めたのだろうか。家族に再会できてルイズへの反感のもとが無くなったのもあるのだろうか?

 ルイズは、たまにマンキーを連れてタルブに来るから、宿代は払うわっと言った。最初は全力で拒否されたが、ルイズは、これから先お世話になるんだから受け取ってと言い、受け取って貰った。

 それからというもの、多少は凶暴だが、これまでのことを考えれば嘘みたいにマンキーは大人しくなったのだった。

 ルイズが学院に帰ると、ちょうど土くれのフーケによる盗難事件が発生していたところで、本塔に現れた土のゴーレムに、オコリザルへと進化したマンキーが、きあいパンチなる技で一撃で腹に大穴を空けて倒したのだった。

 土くれのフーケを一撃で倒したとして、マンキー改め、オコリザルを飼っているルイズに喧嘩を売る馬鹿はいなくなった……。



 
 

 
後書き
マンキーがルイズにやたら反抗的だったのは、家族と引き離されたことが原因だったということにしました。
おそらく、ハッキリとどこから召喚されたポケモンなのか、ハッキリさせたのは、この話だけでしょうね。タルブ村の近隣の森のマンキーって。

技マシン無しで、きあいパンチ使ってますが……、捏造です。
番の卵から生まれたポケモンが親の技を引き継ぐってあったはずだったので、曾祖父の代から代々引き継いできたということにしましょうか。 
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