蘇る暴君
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三章
「あたしにとってはな」
「嫌なお話やね」
「ほんまにな」
マリアにも答えた。
「そうなるわ」
「ニキータさんほんま面倒臭がりやね」
「否定せんわ」
開き直ってはいないが卑屈にもなっていない、そんな言葉だった。
「実際にな」
「そやねんね」
「そやからな」
それでと言うのだった。
「若し邪神を倒すとか封印するとかやと」
「嫌やねんね」
「実際にな」
こんな話をしつつだった、ニキータはマリアそして猫と共に素性を明かしたうえで市役所を訪れたが。
リザードマンの中年の女性市長であるテレサ=フレーニから話を聞いて思わずこんなことを言ってしまった。
「フラグって回収されるもんやな」
「またそう言います?」
「そら言うやろ」
市役所を出てから猫に答えた、勿論マリアも一緒だ。
「こうした時は」
「それはご主人だけですよ」
「面倒臭いことになったな」
ニキータはこうも言った。
「ほんまに邪神が復活したか」
「それで、ですね」
「あたし達に何とかしてもらいたいか」
「倒すなり封印するなりして」
「そらもうな」
ニキータは考える顔で話した。
「倒すしかないわ」
「そうですか」
「そや、それでや」
まさにというのだ。
「後顧の憂いを断つんや」
「そうしますか」
「そや、ここはな」
何としてもというのだ。
「邪神倒してくで」
「もう二度とですか」
「この辺りの人々を脅かさん様にな」
まさにというのだ。
「そうしていこな」
「ニキータさん何だかんだでやる時やるし」
マリアは邪神を倒すと言ったニキータに顔を向けて笑って話した。
「それでやね」
「というか面倒臭くてもな」
「それでもやね」
「人が困ってるとな」
その時はというのだ。
「見捨てたらあかん」
「そうした考えやね」
「あの日本の四人組かてな」
ニキータは十星連合きっての怠け者達と言われている瑠璃子達四人のことにも言及した。この四人は確かに怠け者だがというのだ。
「あれで人の道は絶対に外れんしな」
「曲がったことはせんね」
「色々抜けてるけどな」
それでもというのだ。
「人として持っておかなあかんものは全部持ってる」
「確かにそうした娘達やね」
「それであたしもな」
「人としてはやね」
「困ってる人はな」
どうにもというのだ。
「見捨てたらあかん」
「それは絶対にやね」
「楽するのはそれからでええ」
「それから幾らでも出来るから」
「そやから邪神が復活するなら」
そうであるならというのだ。
ページ上へ戻る