夢幻水滸伝
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第九十六話 仁王像その十六
「色々食べてみたいですね」
「たこ焼きやお好み焼きにハリハリ鍋」
ティンはハリハリ鍋についてさらに言った。
「鯨も食べたいですし」
「鯨。私は特に」
この生きものについてはだった、シェリルはこう言った。
「別に」
「宜しいのですか」
「祖国で言われていることはともかく」
反捕鯨、起きた世界でのそれは置いておいてというのだ。
「鯨については」
「食べる気はないですか」
「特にね」
こうティンに答えた。
「ないわ」
「そうですか」
「そう、ただね」
それでもとだ、シェリルはさらに話した。
「たこ焼きやお好み焼きは好きよ」
「そちらの大坂の名物はですね」
「おうどんもね」
「きつねうどんですね」
「ええ、あれはかなり好きよ」
「そうでしたか」
「学園でもよく食べているし」
起きた時の学園生活でもというのだ。
「たこ焼きもね」
これもというのだ。
「好きよ、では大坂に行ったら」
「その時はですね」
「おうどんも他のものもね」
「食べてそのうえで」
「大坂城も観ましょう」
話に出た雄大にしてかつ壮麗なその天守閣をというのだ。
「かつては彼の居城であった」
「芥川さんですね」
すぐにだ、チュットは彼の名前を出した。
「当初あの人があの城におられて」
「拠点にしていたわ」
「そうでしたね」
「今は行政そして軍事の拠点だけれど」
西日本のそれの一つになっているのだ、城の目的をそのまま活かしているのは芥川がいた時と変わっていない。
「かつてはそうだったわ」
「そのことを考えると感慨もあるな」
芥川がいたこともあると考えると、とだ。リーも述べた。
「実に」
「そうね、ここもお城だけれど」
「城は城でも全く違う」
平城京、ここはというのだ。
「平城京は城塞都市だ」
「私達の国の城ね」
「日本以外のな。日本では城塞都市は少ない」
「こうした街が城壁に囲まれているお城は」
「稀だ、他には平安京がありだ」
そしてとだ、リーはさらに話した。
「惣構えの城がある」
「大坂城がそれでしたね」
マーガレットは惣構えと聞いてリーに問うた。
「城の中に街もある」
「他には会津若松城もだ」
「特に小田原城ですね」
「こうした城は日本でも城塞都市だ」
そうなっているというのだ。
「日本にもあるにはある」
「左様ですね」
「しかしだ」
それでもとだ、リーは言うのだった。
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