華やかな結婚式

「まさかな」
「最後の最後でな」
「あんなな」
　それこそというのだ。
「戸惑うとかな」
「まさか奥手だったとかな」
「モンスターとの戦いは強くてもな」
　それでもというのだ。
「女の子にはな」
「からっきしやったんやな」
「これはな」
　どうかというのだった。
「意外やったな」
「ほんまにな」
「これはな」
「けれどな」
「背中押してそれで終わりやった」
「一押しでな」
　二人でこう話しながらギルドに向かった、やがて保安官はエルフの美女と結婚してささやかだが幸せな式を挙げたがこれはまた別の話である。
　ギルドに報告を終えた二人は保安官から得た報酬とギルドからの感謝の言葉を受けてそのうえで村のささやかだが美味そうな匂いを出している居酒屋に入り。
　そこで注文をした、そのメニューはというと。　
　緑のサルサにトルティーヤ、豚肉を赤唐辛子と酢で作ったソースでマリネしにしたカルネにグリーンチリ＝シチューという火で炙って皮を剥いた青唐辛子を刻みジャガイモそれに肉と煮込んだものにファースチトフードのブリート、チリソースをかけたステーキに酒はテキーラを頼むデザートは生地を薄く伸ばして揚げて蜂蜜をかけたソバイビーヤを注文した。
　そうしてそれ等を食べていると。
　オコナーの手にあるものが宿った、それはというと。
「パンの角笛や」
「ああ、あの牧神のやな」
「それが手に入ったわ、これはな」
　心の中で言ってくる言葉をギンズバーグに話した。
「吹いたらモンスターに言うことを聞かえられるし敵に吹いたら」
「どうなるんや」
「多くの敵を混乱させることが出来る」
「ほお、強いな」
「そやろ」
　こう言うのだった。
「この神具はな」
「聞いてるだけでな」
「しかもな」
　オコナーはステーキを食べながらさらに話した。
「神託を乗り越えてな」
「それでか」
「僕自身な」
　心の中で言ってくる言葉をさらに話した。
「全体的に一回り強くなったわ」
「そうなったか」
「有り難いことにな」
　こうギンズバーグに話した。
「ほんまにな」
「そうか、ほなやな」
「この手に入れた神具と力でな」
　こうしたものを使ってというのだ。
「この世界を救おうな」
「それが僕等の目的やしな」
「そや、これで終わりやないからな」
　だからだとだ、オコナーはロックのテキーラを飲みつつギンズバーグに話した。
「お酒と料理で美味しくお腹一杯になって」
「そうしてからやな」
「これから行こうな」
　こう言ってそのうえでだった。
　オコナーは次に行くべき場所のことを話しながらカルネも食べた、その酸味を楽しみつつこれからのことを思うのだった。


華やかな結婚式　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１９・６・２０