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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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第19話

ボース市の空港に離陸後、川蝉亭に向かって到着したアリサ達は宿の関係者達にエイドス達の事について訊ねると、エイドス達は湖の岸で釣りをしている事を聞き、岸側を探しているとセルリアンブルーの髪を持つ女性と赤毛の青年が釣りをしていた。


同日、PM4:15―――


~ボース地方・ヴァレリア湖~

(腰まで覆いつくすセルリアンブルーの髪の女性…………アリシア女王陛下達から聞いていた通りの特徴だね。)
(う、うん。隣の赤毛の男性は多分女神様の関係者だと思うんだけど…………)
(あの女性が”空の女神”…………)
(ハハ、まさかこんな形で再会する事になるとはね…………)
自分達に背を向けて釣りをしているセルリアンブルーの髪の女性を見つけたアンゼリカの小声に頷いたトワは隣にいる赤毛の青年に視線を向け、ガイウスは呆けた表情で女性を見つめ、オリヴァルト皇子は懐かしそうな表情を浮かべて赤毛の青年を見つめた。すると釣りをしていた二人の釣り竿がそれぞれ動き始めた。
「お………それっ!」
「あら…………えいっ!」
それぞれ獲物がかかった事に気づいた二人は揺れ続ける釣り竿と格闘しつつ、それぞれの獲物を釣り上げた。

「僕は”スネークヘッド”が釣れた。エイドスは?」
「私はまた”ガーウェルズ”です。全く…………この”レイクロード二世・改”とかいう釣り竿は嘘つきな釣り竿ですね!この釣り竿の説明の中にあった謳い文句である”どんな人でも釣りたい魚を釣れる最高の釣り竿”とか書いてありましたけど、さっきから釣れるのは可愛くもなく、食べる事すらできない”ガーウェルズ”ばかり!この釣り竿を作ってそんな嘘をついた会社に後で”天罰”として”アイシクル・メテオ”を落としてあげたくなってきましたよ!」
「いや、君が言うと冗談になっていないから。というかそのアーツって確か君が撃てるアーツの中でもトップクラスの威力があるアーツじゃないか…………」
青年の問いかけに答えた女性はジト目で自分が釣った魚を見つめてリリースをした後自分が持っている釣り竿を睨んで文句を口にし、二人の会話を聞いていたアリサ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、青年は呆れた表情で女性に指摘し
(”レイクロード”って事はもしかして、女神様が使っているあの釣り竿って………)
(ん、間違いなくケネスの実家が売っている釣り竿だろうね。)
(この場にケネスがいなくて本当によかったよな…………)
(いや、マイペースなあの男の事だから、案外笑って聞き流すかもしれん。)
(というかあの女神らしき女が何気に呟いた”アイシクル・メテオ”って確か”ロストアーツ”の一つだったはずよ。)
(ええっ!?)
我に返ったエリオットはある事に気づくと困った表情をして女性が持つ釣り竿を見つめ、フィーは静かな表情で呟き、疲れた表情で呟いたマキアスの推測にユーシスはある人物を思い浮かべながら呆れた表情で答え、ジト目で呟いたセリーヌの言葉を聞いたエマは驚いた。

「―――それで?エレボニアの放蕩皇子が祖国が相当ヤバイ状況だっていうのに、団体さんを引き攣れてわざわざ外国であるここを訊ねたって事は僕達――――いや、”空の女神”に祖国の状況を何とかしてもらう為に来たってワケかい?」
「へ…………」
するとその時別方向から声が聞こえ、声を聞いたアリサは呆けた声を出した後仲間達と共に声が聞こえた方向に視線を向けるとそこには木陰で休んでいた法衣姿のワジが立ち上がってアリサ達に近づき
「君は確か”特務支援課”の…………」
「七耀教会の法衣…………それもアンタから感じるそこらの神父やシスターが持たない莫大な霊力(マナ)……………………アンタ、”星杯騎士”――――それも”守護騎士(ドミニオン)”の一人ね?」
「”守護騎士(ドミニオン)”ですって!?」
「!!」
「せ、”星杯騎士”に”守護騎士(ドミニオン)”…………?」
「フム…………エマ君達やサラ教官はその存在を知っているようだが…………」
ワジの登場にオリヴァルト皇子が目を丸くしている中、目を細めてワジを見つめて呟いたセリーヌの推測を聞いたサラは血相を変えて声を上げ、エマは目を見開き、トワは困惑し、アンゼリカは真剣な表情を浮かべた。

「へえ。ツァイトのように喋る動物って事はもしかして、あの猫も貴女の”眷属”なのかい?」
猫であるセリーヌが人の言葉を解した事に目を丸くしたワジは女性に問いかけ
「いえ、私の”眷属”の中に猫はいませ――――あ。そういえば猫じゃありませんけど、猫の特徴もある”眷属”はいますね。ひょっとしたらその子が配下や使い魔を作っているかもしれませんね。」
「な、なんかさり気なくとんでもない事実を聞いたような気がするんだが…………」
「え、えっと………もしかしてエマ達って、”空の女神”とも何か関係がある一族なの?」
「そ、それは……………………」
「………………………………」
ワジに訊ねられた女性の答えに仲間達と共に冷や汗をかいて表情を引き攣らせたマキアスは表情を引き攣らせながら呟き、アリサに訊ねられたエマは答えを濁し、セリーヌは目を伏せて黙り込んでいた。

「あれ?貴方は確か…………オリビエさん!どうしてエレボニア帝国の皇子の貴方がリベールに…………」
「ハハ、”影の国”以来だね、アドル君。」
「殿下はあちらの男性とお知り合いなのですか?」
驚いた様子で自分に話しかけた青年――――”空の女神”の父親であるアドル・クリスティンに対して親し気な様子で答えたオリヴァルト皇子にアルゼイド子爵が訊ね
「ああ。―――彼の名はアドル・クリスティン。”空の女神”の父親であり、世間でも有名な娯楽小説である”赤毛の冒険家の冒険日誌”の著者にして主人公さ。」
「”空の女神”の…………!?」
「し、しかもあの”赤毛の冒険家の冒険日誌”の著者にして主人公って事は…………!」
「ふえええっ!?あの小説って、実際にあった話だったんですか!?」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたラウラは驚き、ある事に気づいたエリオットとトワは信じられない表情で声を上げた。

「そして私がお父様とお父様にとって最初の”現地妻”であるフィーナお母様の娘にして、”ただの新妻”であるエイドス・クリスティン・ブライトです♪」
「ちょっ、エイドス!?”現地妻”だなんて人聞きの悪い事を言わないでくれ!?」
そして笑顔で自己紹介をした女性――――”空の女神”本人であるエイドス・クリスティン・ブライトの自己紹介にその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アドルは焦った様子で指摘した。
「女神が”ただの新妻”とか意味不明よ…………」
「というか私達が今まで抱いていた”空の女神”のイメージがどんどん崩れていくわ…………」
我に返ったセリーヌとアリサはそれぞれ疲れた表情で呟いた。

その後、エイドス達はアリサ達が自分達を訊ねた事情を知る為に他の場所でそれぞれ休暇を過ごしていた仲間達を呼び寄せて自分達が宿泊している部屋で改めてアリサ達と対面し、まずアリサ達がそれぞれ自己紹介をした。


~川蝉亭~

「改めてになるが…………久しぶりだね、アドル君、フィーナさん、エレナさん、ナユタ君、それにノイ君も。まさか再び君達と会えるとは思わなかったよ。」
「アハハ、それは僕達もです。」
「これもどっかの誰かさんの”導き”とやらかもしれないの。」
「フフ、私やエイドスが”女神”である事を考えると冗談になっていませんね、ノイさんのその言葉は。」
「まあ、ここには”女神”が二柱もいますから、冗談抜きでどちらかは関係していそうですよね…………」
オリヴァルト皇子の挨拶に対して空色の髪の少年――――ナユタ・ハーシェルは苦笑し、ナユタの傍にいる妖精―――ノイ・ステラディアはジト目でエイドスを見つめ、ノイの意見に同意したエイドスによく似た容姿で背中に一対の白き翼を生やしたセルリアンブルーの髪の女性―――エイドスの母親であるフィーナ・クリスティンの推測に金髪の女性―――アドルの妻の一人であるエレナ・ストダート・クリスティンは苦笑しながら同意した。
「だから何度も言っているように、何でもかんでも私のせいにしないでください!全く…………事あるごとに空の女神(エイドス)の導きとかいう言葉を聞いて、正直辟易しているんですよね。ただでさえ”空の女神”なんていう痛い呼び名で呼ばれる事も”非常に不本意でありながらも仕方なく受け入れていますのに”…………」
「お願いしますから、そういったエイドス様ご自身の私事(プライベート)な意見を私達以外の他者の前で堂々と言わないでください…………」
ノイ達の意見に対して文句を口にした後更に文句を口にしたエイドスの意見にアリサ達が再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中、ルフィナは疲れた表情でエイドスに指摘した。

(ハッハッハッ。話に聞いていた以上のユニークな女神のようだね、”空の女神”は。)
(そ、”空の女神”が痛い呼び名で”非常に不本意でありながらも仕方なく受け入れているって”………)
(本当にあの女が”空の女神”なのかどうか、逆に怪しくなってきたな。)
我に返ったアンゼリカは暢気な様子で自身がエイドスに対して感じた感想を口にし、マキアスは疲れた表情で小声で呟き、ユーシスはジト目でエイドスを見つめた。

「それにしても、今更だがその姿でアドル君達と共にいるという事はワジ君も”ケビン神父達と同じなのかい”?」
「正解。改めて名乗らせてもらうよ。―――七耀教会”星杯騎士団”所属”守護騎士(ドミニオン)”第九位”蒼の聖典”ワジ・ヘミスフィア。君達”Ⅶ組”の事はウチの副長や”第八位”からある程度聞いているよ。」
「ハア?”星杯騎士団”の副長や”第八位”が?何でその二人はあたし達の事を知っているのよ?」
「それ以前にそもそも”星杯騎士団”とはどういった存在なのだろうか?」
オリヴァルト皇子の問いかけに対して答えた後改めて自己紹介をしたワジの言葉にサラは困惑し、ガイウスは自身の疑問を訊ねた。そしてワジ達は”星杯騎士団”の事について説明した。

「し、七耀教会にそんな組織があったなんて……」
「七耀教会に古代遺物(アーティファクト)を回収する”裏”の武装集団がある事は、”長”から少しだけ聞いていましたが…………」
「星杯騎士団の連中―――特に守護騎士(ドミニオン)なら結社の”執行者”ともまともに渡り合えるだろうし、中には”蛇の使徒”とも渡り合える奴もいるはずよ。―――特に星杯騎士団総長にして第一位――――”紅耀石(カーネリア)”だったら、”鋼の聖女”もそうだけど”劫焔”ともまともに渡り合えると思うわよ。」
「なっ!?執行者どころかあんな化物と互角って………!」
「星杯騎士団…………話に聞いた以上に得体の知れない組織のようだな。」
星杯騎士団の事を知ったトワは驚き、エマは真剣な表情でワジやルフィナを見つめ、セリーヌの推測を聞いたマキアスは驚き、アルゼイド子爵は重々しい様子を纏って呟いた。

「え、えっと………もしかしてそちらのシスターの方も守護騎士(ドミニオン)の方なのですか?」
「ふふ、私は守護騎士(ドミニオン)じゃなく、ただの”正騎士”よ。」
「ハハ、”剣帝”とも互角にやり合った事がある君の場合、ただの”正騎士”の範囲に含まれないと思うんだけどねぇ?」
「な――――――――あの”剣帝”とも互角にやり合った事があるですって!?」
「”剣帝”…………”劫焔”や”神速”が何度か口にしていた元結社の執行者No.Ⅱにしてメンフィル帝国のプリネ皇女殿下にお仕えしているという凄腕の剣士か…………」
「シャロンの話によると、その”剣帝”って人相手だとあの”劫焔”みたいにシャロンでも”絶対に勝てない”って言っていたけど…………」
エリオットの質問に苦笑しながら答えたルフィナの答えにワジは口元に笑みを浮かべて指摘し、ワジの指摘を聞いたサラは驚きの声を上げ、ラウラは真剣な表情でルフィナを見つめ、アリサは不安そうな表情で呟いた。

「あれは何度も言っているように上手く互いの”落としどころ”に持って行けただけの話だから、まともにやり合ったら私だと彼には絶対に勝てないわよ。」
「フム…………先程から気になっていたんだ…………”彼女”の容姿と似ているその容姿でレーヴェ君ともやり合った話…………まさか、貴女はリース君の?」
苦笑しながら答えたルフィナの答えにアリサ達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ルフィナの正体を察したオリヴァルト皇子は考え込みながらルフィナに訊ねた。
「はい。―――自己紹介が遅れて失礼しました。私の名はルフィナ。七耀教会”星杯騎士団”所属”正騎士”のルフィナ・アルジェントです。”影の国”ではリースとケビンがお世話になりました。」
訊ねられたルフィナは静かな表情で頷いて自己紹介をした。

「やはり…………という事はアドル君達もそうだが貴女も、”彼女”の能力で現代のゼムリア大陸に?」
「ええ、そうなりますね。」
「そうか…………クローディア姫達からアドル君達の話を聞いてから何となく察してはいたが、やはり”彼女”も関わっていたのか。」
「え、えっと………殿下達は何の話をしているのでしょうか?」
オリヴァルト皇子とルフィナの意味深な会話内容に仲間達と共に不思議そうな表情を浮かべたトワはオリヴァルト皇子に訊ねたが
「―――すまないが、その件については事情も知らない人達にみだりに教える事はできないから、幾ら君達でも教える事はできないんだ。」
「ま、守護騎士(僕達)は成り行きで事情を知ってしまったけど、ゼムリア大陸の平和の為にその事情についてはおいそれと話す事はできないから、その件に関してはこれ以上気にしないでくれるとありがたいね。」
「き、”気にしないでくれ”って言われても…………」
「そんな言われ方をしたら逆に滅茶苦茶気になる。」
オリヴァルト皇子とオリヴァルト皇子の後に答えたワジの答えにエリオットは気まずそうな表情をし、フィーはジト目で指摘した。

「フム…………気になるといえば、そちらの翼を生やした女性や他の人達も王太女殿下達の話にあった”空の女神”のご両親や先祖なのかい?」
「ええ。―――初めまして。私の名はフィーナ・クリスティン。女神の一柱にしてアドルさんの妻の一人でエイドスの産みの母親――――――”母神”になります。」
「同じくアドルさんの妻の一人のエレナ・ストダート・クリスティンです。よろしくお願いしますね。」
アンゼリカに視線を向けられたフィーナとエレナはそれぞれ自己紹介をし
「貴女が”空の女神”の”母神”…………」
(というかその”空の女神”の父親だっけ?何気に妻が二人もいる事やさっきの”空の女神”の”現地妻”発言からして”タラシ”な男みたいだね。)
(そうね。それもリィンみたいな一番性質が悪い”無自覚”なタイプなんでしょうね。)
(お二人とも、そんなあからさまにアドルさんを見て会話しない方がいいですよ…………?)
(あの娘達の僕を見る目が蔑みの視線になっているのは、僕の気のせいか…………?)
ガイウスは呆けた表情でフィーナを見つめ、それぞれジト目になってアドルを見つめて小声で会話しているフィーとアリサにエマは冷や汗をかいて指摘し、二人の視線に気づいたアドルは冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。

「ちなみにナユタ君。先程から気になっていたんだが、そちらの白髪(はくはつ)のレディーは”影の国”の”裏の試練”を終えてから頭を悩ませて、ようやく決めた君の恋人なのかい♪」
「うっ。え、ええ、そうです。」
「フフ……―――私の名はクレハ・レム・オルディーン。”影の国”の情報によると…………正直自分ではあんまり言いたくないのだけど、私とナユタはフィーナの”先祖”だとの事よ。よろしくね。」
「私はクレハ様にお仕えしていてナユタの”相棒”のノイ・ステラディアなの!よろしくなの!」
からかいの表情のオリヴァルト皇子の問いかけに唸り声を上げたナユタの様子を面白そうに見ていたクレハは名乗り、クレハに続くようにノイが名乗るとアリサ達はクレハがフィーナの先祖である事を知るとそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「そしてノイの”相棒”である僕の名前はナユタ。ナユタ・ハーシェルです。よろしくお願いします。」
「ふえ…………?」
「へっ……”ハーシェル”だって!?」
「まさかとは思うが生徒会長までもが女神の一族なのか?」
「驚愕の事実だね。」
ナユタの自己紹介を聞いたトワが呆けている中、何かに気付いたマキアスは驚き、ユーシスは信じられない表情で、フィーは興味ありげな表情でトワを見つめ
「ふええええええええっ!?ち、違うよ~!?」
「フフ、なるほどね。トワの愛らしさは女神の血を引いている事も関係していたんだね♪」
すぐに我に返って慌てているトワをアンゼリカは口元に笑みを浮かべて見つめていた。
「アンちゃん!こんな時に変な事を言わないでよ~!?」
「えっと……僕の名前に何かあるんですか?」
慌てた様子でアンゼリカに指摘しているトワの様子を見て冷や汗をかいたナユタはアリサ達に尋ねた。

「フフ、そちらのトワ会長の本名は”トワ・ハーシェル”。会長のファミリーネームがそなたのファミリーネームと同じである事に我らは驚いているのだ。」
「ええっ!?」
「フフ、不思議な偶然ね。もしかしたら彼女も私達の遠い親戚かしら?」
「さすがにそれはないと思うの……」
ラウラの説明にナユタは驚き、微笑んでいるクレハにノイは疲れた表情で指摘し
「いやいや、”ブライト家”が遥か昔から今の時代まで存在し続けているのだから、もしかしたらそうかもしれないよ♪」
「ええ。その証拠にドライケルス大帝やその親友であるロラン、そして我が先祖にして”鉄騎隊”の副長を務めていたシオン・アルゼイドの系譜も250年前から今まで続いてきましたからね。」
オリヴァルト皇子の意見にアルゼイド子爵は苦笑しながら同意した。

「フフ……―――それで私に何かご用のようでしたが、一体何の為に皆さんが揃って、ここに訪れたのですか?」
微笑ましそうに見守っていたエイドスだったがある事を思い出すと不思議そうな表情でアリサ達に訊ね
「実はエイドス様にどうしてもお願いしたいことがありまして―――」
エイドスの疑問を聞くとオリヴァルト皇子が一歩前に出てエイドス達を訊ねた経緯を説明した。


「……メンフィルとクロスベルもさすがに”空の女神”の意見は無視できないと判断しての事、か。」
「確かにその判断は間違ってはいないけど……」
理由を聞き終えたワジとルフィナは重々しい様子を纏って呟き
「女神様、どうか私達――――エレボニア帝国に御慈悲をお願いします……!」
「お願いします!」
オリヴァルト皇子が頭を深く下げてエイドスに対して嘆願すると、アリサ達も続くように頭を深く下げてエイドスに嘆願した。

「…………………………」
「エイドス…………」
「”神”にすがりたい君達の気持ちはわからなくはないけど……」
「……難しい問題ですね。」
目を伏せて黙り込んでいるエイドスをフィーナは静かな表情で見つめ、アドルとエレナは複雑そうな表情をし
「それで?貴女はどうするんだい?」
ワジは真剣な表情でエイドスを見つめて問いかけた――― 
 

 
後書き
ということで自称”ただの新妻”エイドスとその一族、そしてオマケとしてワジとルフィナが登場しましたwなお、エイドス達の話は次回の話で終わる予定で次のエイドス達の登場は終盤になる予定です。 
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