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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第一幕その九

「日本のお城って違和感あるよね」
「他の国のお城と違うからだね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「何かね」
「お城と思えないんだね」
「お城は」
 王子が言うお城はといいますと。
「壁をお堀で囲んだ」
「そうしたものだね」
「うん、城塞都市がね」
 それがというのです。
「お城だってね」
「思うね」
「そう思ってるから」
「確かに他の国ではそうだね」
 先生もこう返します。
「日本以外の国だと」
「欧州や中国、中近東ではね」
「アメリカもかつてはそうだったしね」
「街がね」
 まさにイコールだというのです。
「お城なんだけれど」
「それが日本では違うね」
「城下町ってあるじゃない」
 王子はこの言葉も出しました。
「日本には」
「うん、お城の周りに街があるんだ」
「そうだよね」
「そうだし」
 王子はさらに言いました。
「あれじゃあ砦だよ」
「日本のお城は」
「街がお城の中にないから」
「そうしたお城もあるけれどね」
「あれっ、あるんだ」
「うん、惣構えという形式でね」
 それでというのです。
「日本にもあるよ」
「そうだったんだ」
「ただこれも他の国のお城の影響で」
「元々はなんだ」
「平城京や平安京はそうだったけれど」
「やっぱりそうしたお城はだね」
「日本には殆ど縁がなかったよ」
 城塞都市はというのです。
「そう言うよ、僕も」
「やっぱりそうだよね」
「日本にそうしたお城はね」
 どうしてもというのです。
「縁がなかったんだ」
「他の国で言う砦ばかりだね」
「そうだね」
「だからそれがね」
 どうにもというのです。
「僕にとってはね」
「どうにもだね」
「馴染まないんだね」
 日本のお城をお城と呼ぶことはというのです。
「そうなんだよ」
「けれどね」
「日本ではお城はだね」
「ああした建築養子なんだ」
「城下町に囲まれているんだね」
「戦になるともう街の人達は他の場所に非難するよ」
 そうなるというのです。
「お城の中に逃げることは少ないよ」
「他の場所に非難して難儀を逃れるんだ」
「それで戦見物に入って戦が終わると」
 そうなればといいますと。 
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