| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百二十九話 スズキが恋をしてもその九

「よかったわよ」
「そうなりますね」
「ええ、さもないとね」
「悪い連中と付き合っていても」
「よくないから、もっともね」
「もっとも?」
「評判が悪くても」
 それでもともだ、日菜子さんは僕に話してくれた。
「実は違うって人もね」
「いますよね」
「だから自分で見てお話して」
「決めるべきですね」
「人の評判もね」
「わからなかったりしますね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「自分で見てお話して」
「見極めるべきですね」
「人はね、まあ一年一緒にいてわかるとかね」
「人は中々わからないですね」
「一見いい人が」 
 勿論逆の場合もある。
「違うってことはあるから」
「そうですよね」
「じっくり観ないとね」
「駄目ですね」
「あと碌でもない奴と付き合えるのは」
「碌でもない奴ですね」
「類は友を呼ぶだから」
「さっきお話した花には蝶が寄るで」
 それでだ。
「ゴミには蠅がたかりますね」
「そうなるから」
「そうですね」
「あとゴミはヘドロになって」
 腐敗が進んでだ。
「ヘドロもとことんまで腐るとね」
「極限まで腐るとですね」
「そこには誰もいなくなるって聞いたわ」
「腐り過ぎたらそこには生物が住めないですからね」
「細菌ですらね」
 どんな悪質な細菌でもだ。
「そうなりますね」
「腐った連中はそこから腐っていって」
「腐り尽くしていって」
「もうね」
 それこそというのだ。
「何もね」
「そこになくなるんですね」
「いなくなってね」
「腐りきるとそうなるんですね」
「そうよ、腐りきった連中にはね」
 底辺の底辺まで堕して人ではない何か、餓鬼がさらに腐ってもう人の形すらなくなったかの様な連中にまでなるとだ。僕は日菜子さんの話を聞いて思った。
「他の人近寄らないでしょ」
「はい、ゴミには蠅がたかっても」
「蠅すらもたからないとね」
「もう人はですね」
「腐った奴でもね」
「そこまで腐ってないから」
「近寄らなくて」
 そうしてというのだ。
「もうその連中だけになって」
「それでその連中が腐りに腐りきって」
「自滅してね」
「そうなりますよね、腐りきったら」
「人間餓鬼になって」
 まさに人でない何かだ。
「それでその下は地獄の亡者でしょうけれど」
「餓鬼道があって」
 僕は仏教の話も思い出した。
「その下が地獄道ですね」
「そう、地獄の亡者はね」
「餓鬼以下の世界に堕ちる連中ですね」
「その連中よりもさらによ」
「腐っていくと」
「もう誰も近寄らなくなって」
 地獄の亡者以下になるとだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧