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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十九話 スズキが恋をしてもその七

「そもそもあたし人を傷付ける趣味ないし」
「言葉でもですね」
「思いやりのない人にはなりたくないし」
 こうもだ、日菜子さんは言ってくれた。
「ましてやね」
「人を傷付けて平気な人には」
「もっとなりたくないから」
「だからですね」
「本当にあたしはあっさりと言う人間だけれど」
「こと恋愛のことは」
「やんわりとね、傷付けない様に」
 そうしてとだ、日菜子さんはまた言った。
「その様にして」
「付き合えないと思った人にはですね」
「断る様にしているのよ」
「そうですか」
「あたし自身酷い振り方をしてね」
 そうしてというのだ。
「タイプじゃなくてもね、そして周りに言って」
「振った人をかなり傷付けた」
「そんな娘見てきたし」
「告白した人辛かったでしょうね」
「ええ、一時期相当に暗くなってたわ」
「相当にですか」
「立ち直れたけれど」
 それでもというのだ。
「酷い状況になってたわ」
「相当に傷付いていたんですね」
「ええ、幸いその子傍にいつも親友の子がいてくれて」
「何とか持ち堪えてたんですね」
「それで素敵な相手と出会えて」
 そしてというのだ。
「家庭も上手くいってなかったらしいけれど」
「そちらもよくなって」
「それで、ですね」
「立ち直れたけれど」
 それでもというのだ。
「傷付いていたことは事実でね」
「一時期大変だったんですね」
「そうだったのよ」
「そうでしたか」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「告白を断るにもね」
「方法があるんですね」
「そう、本当に相手を傷付けない」
「そのことが大事ですね」
「ちなみに振った方は今凄く評判悪いわよ」
「そうですか、ひょっとして」
 僕はここでそのお話のことに気付いた、それで日菜子さんに話した。
「うちの学園の」
「そう、遠井君ってね」
「ああ、あのお話ですか」
「そのお話だけれど」
「そのお話は僕も知ってます」
 聞いたことがある、それでだ。
「物凄く酷い振られ方して」
「それでね」
「一時期かなり落ち込んでいて」
「相当に悪い相手を好きになって」
「心ない振られ方をして」
「しかもけしかけたその時の友達がね」
 告白した相手だけでなくだ。
「二人位いたけれど」
「自分達が危なくなったららしいですね」
「言われると思ったらね」
「その人を切り捨てて逃げて」
「卑怯ですよね」
 聞いているだけで胸糞が悪くなる話だ、そんな連中はそもそも最初から友達じゃなかったとしか思えない。
「それって」
「ええ、若しその人にね」
「いつも一緒にいてくれるお友達がいなかったら」
「完全にね」
 それこそというのだ。 
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