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ゼロの使い魔×ポケットモンスター ネタ

作者:蜜柑ブタ
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『ルイズが召喚したのが、ポニータ(ポケモン)だったら?』

 
前書き
今回は、ポニータ。

ポニータが気性が難しいというのは、アニポケを参考にしています。


原作イベントとかは、無視。

2019/05/28
タバサが放ったのが氷なので、ポニータを行動不能にする描写を書き換えました。



オリジナル展開で、国を挙げてのレースに参加するまでの話です。
 

 


 綺麗だっと、まずルイズは思った。

 それは、一言で言うなら、馬。

 けれど、ただの馬ではない。白に近いが黄色っぽいような体の表面の色、つぶらな黒い目、そして最大の特徴は、たてがみが炎だったことだ。

 赤と黄色に燃えるそのたてがみが、ユラユラと揺れている。

 やがて、キョロキョロと馬が周りを見回し始めた。

 コルベールがルイズにコントラクトサーヴァントをするよう促し、ハッとしたルイズが炎の馬に近寄る。

 すると、炎の馬はキッとルイズを睨むように身構え、ヒヒーンッ!と鳴いて炎を放ってきた。

 突然のことに対応できなかったルイズだったが、コルベールが魔法を使いその炎からルイズを守った。

 すると炎の馬が今度は突撃してきた。

 そのスピードにルイズは、コンマゼロで頭で、あっ、これ避けられないっと思った。

 炎の馬とルイズが接触しようとした直後、炎の馬の横から無数の氷の矢が当たり、炎の馬が横へ転がり倒れた。

 タバサが、今だと小声で言った。

 しかし、すぐに炎の馬は立ち上がり、タバサを睨む。僅かに目を見開いたタバサが続けざまに氷の魔法を放つが、炎の馬が放つ炎の壁で遮られて蒸発した。

 馬の注意が完全にタバサの方に向いている隙を付いて、コルベールが酸素を操る独自の魔法を使った。

 酸欠に陥った炎の馬が倒れ込む。コルベールが今のうちに!っとルイズに声をかけた。

 辛そうにバタバタと暴れている炎の馬を不憫に思いながらも、ルイズは、コントラクトサーヴァントを行った。

 炎の馬はルーンが刻まれる痛みに余計に辛そうに鳴き声を上げ、やがて気絶したのか動かなくなった。

 コルベールが学院まで炎の馬を運び、大型の使い魔が入れれる舎の干し草の上に炎の馬を乗せた。不思議なことにたてがみの炎が燃えているにもかかわらず、干し草も舎の木造建築を燃やすこともなかった。

 ルイズは、炎の馬のそばにいた。

 進級のためとはいえ、酷いことをしてしまったとは思っている。見た目からして氷が苦手そうだったのに喰らって、さらに追い打ちをかけてルーンを刻まれて目を覚まさないのだ。

 不思議な炎だな…っと思いつつ、干し草も木も燃やさない不思議な炎に触れようと手を伸ばそうとした。

 その直後、背後から、ポニータだ!っという声が聞こえた。振り返るとそこには夕食を入れたバスケットを運んできたメイドのシエスタがいた。

 見たことも聞いたこともない馬なので、聞いてみると、なんでも曾祖父が飼っていたらしい非常に珍しい幻獣のような馬で、曾祖父亡き後は、馬小屋から逃亡して近隣の森に住み着いたと言われており、ごく希にその子孫と思われる炎の馬が見られるそうだが、知能が高く非常に警戒心が強いのだという。

 しかも、シエスタの家の言い伝えによると、心を開いた相手にしかたてがみの炎で熱くしなように触らせ、しかも背中に乗せてくれないのだとか。そのため、曾祖父以外は乗るどころか、触ることすらできなかったらしい。

 そんな話を聞いていると、やがてブルル…っという鳴き声が聞こえたのでそちらを見ると、炎の馬…ポニータが目を覚ましていた。

 ルイズがだいじょうぶ?っと声をかけると、ハッとしたのか飛び起きたポニータは、距離を取り、メラメラとたてがみの炎を揺らした。

 ルイズは、ショックを受けた。他の生徒達のように使い魔のルーンを刻めば主人に対して友好的になるはずなのに、ポニータは、今にもこちらを燃やそうといきり立っている。

 するとシエスタがこう言った。

 曾祖父も飼い慣らすのに非常に苦労したらしい。だから頑張ればきっと心を開いてくれるはずだとルイズを励ました。

 この日から、ポニータという不思議な馬との攻防が開始された。

 毎日餌をやりに来るが、ルイズの姿がなくなるまで決して口を付けようとしない。そして触ろうモノならその手を容赦なく焼かれる。それが毎日繰り返された。

 保健室の常連になったルイズを、保険医がもうやめたら?っと心配して声をかけるほどだった。

 同級生からは、火傷のルイズなどと揶揄されるが、ルイズは諦めない。水の秘薬を買うお金もなくなり、両手は度重なる火傷のせいで常に包帯を巻かれ血などがにじんでいる。時に蹴られることもあり、美少女と言えるルイズの顔に痛々しい蹄の形をした青あざが出来ているときもあった。そんな姿に、ルイズを揶揄する声はなくなっていったが、同情する目が向けられるようになった。

 コルベールは、少なくとも学院から逃げようとしていないのは、ルーンの従属性が効いている証だろうと分析してコントラクトサーヴァント自体は成功しているとみている。

 しかし、それでも元々気難しい気性のポニータは、一向にルイズにその炎のたてがみを触らせようとはしなかった。それでも少しずつは心を開いてくれているのか、餌をあげにくると顔を見せてくれ、そしてルイズがいても気にせず餌を食べてくれるようにはなった。

 そんなある日……、トリスティンをあげての馬のレースが開催されることになった。

 馬を使い魔に持つ生徒や、自慢の系統の馬を持つ生徒がこぞって参加しようと言っている。

 ルイズは、そんな生徒達は羨ましそうに見る。自分のポニータが出れば、きっと花になるはずだろうに……、けれどそれは叶わない。

 意気消沈したまま、自然とその足はポニータがいる舎に向かっていた。

 餌の時間かと思ったのか顔を出してくれたポニータに、ルイズは、泣き笑いの顔で独り言を言う。

 あなたと、レースに参加したかったなぁ…っと。

 そして背中を向けて去ろうとした時だった。

 マントが引っ張られた。見ると、マントの端をポニータがくわえていた。

 ルイズは、目を見開き、ポニータを見つめた。

 そして、恐る恐るそのたてがみに手を触れると……、炎をすり抜け、その首筋に手が触れた。熱くなかった。

 それを理解するのにたっぷり時間をおいて、ルイズは決壊したように泣いた。

 そして、そんなルイズの顔をポニータが舐めた。

 泣き止んだルイズは、ポニータにありがとう!っと感謝し、抱擁した。

 そしてギリギリのところでレースの受付に申請したのだった。

 レース当日……。

 ルイズの両親も見に来ている中、ルイズは、堂々と背筋を伸ばして、ポニータの背に乗っていた。これまでの傷などは、キュルケとタバサが気を使って秘薬をくれたので癒えている。でないと手綱を握れないからだ。

 ポニータの幻獣のような美しい姿に、会場の観客席は釘付けだ。参加貴族の中には、幻獣を参加させて良いのかとレース本部に抗議していたりしていたが、魔法で調べた結果、幻獣ではないということで却下されていた。

 そしてレースのスタート位置に付く。

 合図と共に、駆け出したポニータと他の貴族の馬たち。

 レースのために鍛えられた馬が参加しているため、抜きつ抜かれつのデッドヒートとなった。

 しかし、レース終盤で魔法による妨害があり、ポニータが一気に失速した。

 その直後だった。

 ポニータの体が白い光に包まれ、一回りほど大きくなった。

 そして現れたのは、一本の角を持つ美しく立派な炎の馬、ギャロップだった。(名前はあとでシエスタから聞いた)

 最下位まで落ちていたが、ポニータを越える長く強靱な足が生み出すスピードが他の馬をごぼう抜きし、ハナ差でギャロップとルイズの勝利となった。

 なお、このあと、魔法による妨害工作をした貴族は工作員もろとも、しっかりと処罰され、ルイズはギャロップとともに表彰台に上がった。

 厳しいルイズの両親が、ルイズがどれほど努力してギャロップ(ポニータ)との絆を生んだのかコルベールらから聞いて、よく頑張ったなっと褒められた。

 キュルケ達からも評され、胴上げをされたりと、ルイズにとっては、大変な日となった。

 もみくちゃにんされながら、堂々と立っているギャロップの傍に来て、首筋を撫でて、感謝すると、ギャロップは、ルイズの顔を舌で舐め、顔をスリスリと擦り付けてきてくれた。

 ルイズは、使い魔との絆を築けたことが何よりも幸せだった。
 
 

 
後書き
アニポケじゃ、ギャグな表現になってるけど、リアルであのたてがみに触ろうとしたら絶対えらいことになる。
火傷ってマジで酷いからね……。

進化のタイミングも、アニポケを参考にしました。

なお、シエスタの曾祖父は、ポケモントレーナーで、ポニータ、及びギャロップをオスとメスを所持していたため、亡き後に逃走して近隣の森で独自に繁殖しています。そのためシエスタのタルブ村では、ごく希に目撃されるようなる。ただし警戒心が強くて知能も高いので捕まえるのはほぼ不可能。

ですが、ルイズが召喚したポニータがタルブ村付近に住む個体なのか、それともポケモン世界から召喚された個体なのかは不明です。 
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