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レーヴァティン

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第百三話 夜襲破りその七

「暗いからな」
「だからですね」
「ああ、鉄砲もな」
 こちらを動かすこともというのだ。
「厄介だからな」
「それで、ですね」
「迂闊にはな」
 それこそというのだ。
「急ぐなよ、確実に撃てる様にな」
「急がずにですか」
「進めていってな」
 こう銃兵を率いる士官に話すのだった。
「撃てよ」
「そうですか」
「ああ、だからな」
 それでと言うのだった。
「焦って暴発とかはさせるな」
「くれぐれもですね」
「下手しなくても大怪我だ」
 銃が暴発すればというのだ。
「最悪死ぬからな」
「だからですか」
「死ぬみたいなことになればな」
 それこそというのだ。
「それだけ痛い思いするだろ」
「だからですか」
「無理はするな」
 くれぐれもとだ、久志は銃兵士官にも言うのだった。
「いいな」
「それでは」
「ああ、頼むぜ」
 銃についてもこう言ってだった、彼は兵達に無理をさせず迎撃を行わせた。それは塵の外側でも同じでだ。
 そこで迎撃の兵を率いている清音は兵達に言っていた。
「正直こちらは数も装備もあるから」
「だからですね」
「それで、ですね」
「余裕があるから」
 それでというのだ。
「焦って大砲や銃を撃たずともね」
「いいのですね」
「そこまでではないですか」
「そうよ、だからね」
 余裕があるならというのだ。
「焦るとかえって駄目よ」
「ではここは」
「確かに鉄砲は使うわ」
 それはというのだ。
「大砲もね、けれどね」
「昼より遅くてもいい」
「そうなのですか」
「そうよ、夜での装填よ」
 銃弾のそれだというのだ。
「だからね」
「焦らず装填し」
「暴発なそない様にして」
「撃っていけばいい」
「左様ですか」
「最初の一撃でかなり効いているわ」
 その銃撃と砲撃でというのだ。
「敵にはね、そのこともあるし」
「ここは、ですか」
「あえてですか」
「焦らずに」
「そうよ、焦ったら」
 その時にというのだ。
「怪我をするわ、だからね」
「銃弾や砲弾の装填は焦らず」
「月灯りの下で、ですね」
「それでやっていくことですね」
「篝火もあるし」
 それも使ってというのだ。
「慎重にしていくのよ、騎馬隊もそうでしょうしね」
「そういえばあちらからの銃声も」
「思ったより少ないですね」
「あちらも無理はしていないのですね」
「鉄砲については」
「鉄砲は確かに強力よ」
 清音も認めていることだ、だからローマ軍は他の勢力を圧倒するまでの数の鉄砲を揃えているのだ。 
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