夢幻水滸伝
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第九十二話 太平洋の諸勢力その十三
「そうしてこっちの考え通り動くか。あちこち故障したりせんか」
「故障も怖いからな」
「いざって時に故障してたら意味ないやろ」
「ものでも人でもな」
「スポーツ選手でも故障がちの人って困るしな」
綾乃も言ってきた。
「どうしても」
「そや、故障がないか少ないことはな」
芥川は綾乃にも話した。
「それだけでや」
「ポイント高いし」
「それだけでな」
まさにというのだ。
「それでや」
「ここはね」
「故障が少ないかとどうかもや」
「調べてるんやね」
「そうしてるわ、何しろはじめて大がかりなもの造ったんや」
それならばとだ、芥川は綾乃にさらに話した。
「それやったらな」
「故障もな」
「やっぱり多いことがな」
「予想されるし」
「調べてるんや」
「建造中から」
「何かとな、そして完成して戦がはじまったら」
「皆であれに乗り込んで」
「出陣や」
戦、それに出るというのだ。
「ええな」
「わかったわ」
それならとだ、綾乃は芥川に微笑んで答えた。
「うち等三人も他の子達も」
「そしてうちの兵の主力もな」
「四十万乗るんやね」
「その間の治安と守りは警察にやってもらう」
喜久子が統括するこの部署にもというのだ。
「陸空海三つあるからな」
「そうしてやね」
「守ってもらう、他の勢力もな」
「軍は全部乗せてやね」
そのうえでというのだ。
「そうしてくるね」
「そや、その時はな」
まさにというのだ。
「まさにどの勢力もや」
「ああしたのに軍を全部乗せて」
「そうして来るわ」
「ほんまの総力戦になるね」
「それぞれの一戦にかけたな」
「うち等はそうした戦を提案して」
「相手も乗るわ」
確実にそうなる、それが芥川の読みだ。そしてその読みはまさに確信と言っていいものであった。
「そうなるからな」
「ううん、ほんま凄いことになるね」
「そしてその凄いことにな」
「勝ち残って」
「太平洋を統一するで」
「うち等が」
「そうするで」
まさにと言うのだった。
「ええな」
「そういうことでな」
「あとな」
芥川はさらに言った。
「もう一つあるわ」
「もう一つ?」
「そや、巨人への備えや」
芥川が言うもう一つとは彼等のことだった、この世界の特徴の一つである神出鬼没の謎の種族である。
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