オズのファイター大尉
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第十幕その六
「他の村や場所ではね」
「牛もだね」
「本当に色々な種類がいるからね」
「そのこともだね」
「覚えておくといいよ」
「わかったよ」
牧童の子は大尉ににこりと笑って答えました。
「それじゃあね」
「そういうことでね」
「僕覚えたよ。けれど覚えると」
そうなればというのです。
「忘れない様にするよ」
「そこも頼むよ」
「よくお父さんとお母さんに言われるし」
「一度覚えたらだね」
「忘れるなってね」
その様にというのです。
「言われてるし」
「だからだね」
「うん、忘れない様にするよ」
「それには思い出すことだよ」
「思い出せばいいんだ」
「そうすれば忘れないよ」
覚えたこと、このことをというのです。
「その度に頭の中に刻み込まれるからね」
「だから忘れないんだね」
「だから時々でもね」
「覚えたことを思い出すんだ」
「そうすれば」
まさにというのです。
「忘れないからね」
「そうしていくよ」
牧童の子はその言葉に頷きました、そしてです。
ドロシー達とそのままお話を楽しみました、そうしてドロシー達は村にも入って村の人達ともお話をしてです。
それからまた上の層に向かいましたが。
そこでは妖精達がいて楽しく踊っていました、その妖精達は見ますと虹色に輝く服を着ています。その服を見てでした。
すぐにです、大尉が言いました。
「ひょっとしてね」
「ええ、ポリクロームがね」
ドロシーも大尉に応えました。
「いるかも知れないわね」
「そうだね」
「あの中にいなくても」
「今この世界樹に来ているかもね」
「そうかも知れないわね」
二人でお話してです、ドロシーは皆に言いました。
「これからね」
「うん、あの娘達のところに行こう」
「ひょっとしたらポリクロームに会えるかも知れないし」
「そうしよう」
かかしと樵、ジャックが応えました。
「今からね」
「見たところあの中にはいないかも知れないけれどね」
「それでも行ってみよう」
「ええ、何十人もいて」
見れば妖精は結構います、八十人はいるでしょうか。
「ちょっと誰が誰かね」
「まだわからないけれど」
「それでもね」
「行ってみよう」
またドロシーに言うかかし達でした、そして。
皆で行くとです、妖精達の中から懐かしい声がきました。
「あら、お久し振り」
「あっ、その声は」
トトが最初にその声に応えました。
「いたんだ」
「奇遇ね」
妖精達は踊りを止めました、そしてです。
その中からポリクロームが出てきました、そうして皆に言ってきました。
「こんなところで会うなんて」
「世界樹の葉とお花を手に入れる為に来たの」
ドロシーがポリクロームに答えました。
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