オズのファイター大尉
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第九幕その十
「僕達も嬉しいよ、顔立ちがいいと」
「人間それだけじゃないけれどね」
「そのことで嬉しくなるよ」
「そういうことでね、後はね」
さらにお話する始祖鳥でした。
「あんた達何か欲しいものあるかい?」
「欲しいもの?」
大尉が始祖鳥に応えました。
「だったらもう手に入れたよ」
「それは何だい?」
「世界樹の葉が欲しかったけれどね」
「手に入れたんだね」
「あと世界樹の花もだけれどね」
「あっ、ちょっと忘れてたわ」
言われてこのことに気付いたドロシーでした。
「そういえば」
「そうだったんだ」
「ええ、けれどね」
「世界樹の花もだね」
「あのお花も手に入れないとね」
「そうだよね」
「おじさんとおばさんにプレゼントしないとね」
ワインを造る時に入れる世界樹の葉だけでなくというのです。
「そちらもね」
「それじゃあね」
「それとね」
さらにお話する大尉でした。
「頂上までね」
「行くわね」
「頂上まで行ったら」
始祖鳥は二人のやり取りを聞いて言いました。
「もうね」
「それでだね」
「そこに世界樹の花があるから」
「そこで摘めばいいわね」
「今はね、行っておいでよ」
始祖鳥はドロシーに暖かい声をかけました。
「まだ先だけれどね」
「ええ、世界樹は本当に高いから」
「二千メートルはあるからね」
「本当に高いから」
「だからね」
頂上まではというのです。
「まだ先だから」
「それでよね」
「どんどん行くんだよ、楽しんでね」
「そうさせてもらうわ」
「あとね」
さらに言う始祖鳥でした、神宝達を見つつ。
「あの子達は世界樹に来たのははじめてだよね」
「そうよ」
その通りとです、ドロシーは始祖鳥に答えました。
「あの子達はね」
「そうだね、じゃああの子達は特にね」
「頂上までの道のりをね」
「楽しんでね」
それでというのです。
「行く様にね」
「よく、よね」
「言っておくんだよと言いたいけれど」
「もうお話してるわ」
「そこは流石だね」
始祖鳥はドロシーのその返事に関心しました。
「オズの国一の冒険家だけあるよ」
「有り難う、そう言ってくれて」
「あたしは嘘は言わないからね」
自分が思ったことを言っているというのです。
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