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車とバイク

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第三章

 彼の友人達と共にある話をしていた、その話はというと。
「ハーレーいいよな」
「やっぱりロマンだよな」
「ハーレーって」
 ハーレーと聞いてだ、清里愛は反応した。
「アメリカの」
「あれ、オートバイの話してるわね」
「あっちは」
「ハーレーとかね」
「そんなお話してるわね」 
 清里愛もその言葉に反応した。
「こっちは車であっちはオートバイ」
「何か分かれてるわね」
「というかね」
 ここである女子が言った。
「男子ってオートバイ好きよね」
「車も好きだけれどね」
「それでもね」
「あっちも好きよね」
「どうもね」
「まあね」
 ここで清里愛は言った。
「私はオートバイはね」
「興味ないわよね」
「清里愛ちゃんは車派よね」
「断然そうよね」
「ええ、それはね」
 表面上は笑顔で応える清里愛だった、だが。
 内心は困っていた、それでだった。
 友人達とベンツの話を再開した、しかしその間大地達のハーレーーの話題に耳を向けてもいた。そうしてだった。
 彼等の話題を聞いているとここで変わっていた。
「そういえば中込の家新車入ったよな」
「そのハーレーに負けない位凄いのが」
「八条オートバイのが入ったんだよな」
「凄いのが」
「新車って」
 そう聞いてだ、清里愛は心の中で反応した。
「どんな新車なのかしら」
「一体どんなのだ?」
「どんな新車なんだ?」
「それで」
「うん、一〇〇〇CCでね」 
 それでと言うのだった、大地が。
「物凄く恰好いいデザインなんだ」
「そんなにか」
「じゃあ特撮のバイクみたいなのか」
「そんなのか」
「しかもサイドカーも入ったんだ」
 こちらもとだ、大地は彼の友人達に話した。
「これも凄いから」
「サイドカーか」
「それも入ったんだな」
「サイドカーもいいよな」
「あれも」
「よかったら見に来てね。ただ買うには」 
 そこは笑って言う彼だった。
「物凄く高いからね」
「そんなにか」
「高いのは当然にしても」
「相当に高いんだな」
「物凄くって言うだけに」
「何百万だから」
 大地はその値段をあっさりと言った。
「これハーレーもだけれど」
「何百万か」
「もうそれ趣味だな」
「大人の趣味だよな」
「級力とボーナスコツコツ貯めて買う」
「しかも月賦でな」
「正直車買うよりもね」
 大地はここでは普通の自家用車を念頭に置いて話した。
「高いからね」
「俺達じゃ無理だな」
「五十CCでもどうかっていうのにな」
「それで何百万はないよな」
「本当に大人の趣味だな」
「だから一台売れたら」
 大地は今度は家の商売の話をした。 
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