夢幻水滸伝
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第九十一話 内政の者達その四
「やっぱりね」
「クビだね」
「そうしていくわ」
「無能な教師や問題のある教師はいらない」
「そうなるわ」
まさにというのだ。
「本当にね」
「そうよね」
「そう、そして」
それでというのだ。
「健全な教育をしていくね」
「その考えよ」
こう志賀に話した。
「公平でね」
「理想主義って言われてもかな」
「理想と現実があって」
その両方がというのだ。
「政でしょ」
「あっ、いいこと言うね」
「恰好つけじゃなくてね」
ここで亜紀は志賀が差し出したトマトを受け取った、赤くよく熟れた実に美味そうなトマトである。
「こうしたいっていう理想を持って」
「それで現実を見て」
「それでどうしていくか考えてね」
「やっていく」
「それが政でしょ、私は教育担当だけれど」
内政のその分野が専門だというのだ。
「その教育でもね」
「理想を持って」
「それで現実を見てね」
「やっていっているんだね」
「そのつもりよ、出来るだけいい教育体制築いていくわよ」
「じゃあ僕も」
それならとだ、志賀もトマトを食べつつ言った、山羊人の亜紀だけでなくハーフオークの彼女も食べている。
「理想を掲げて」
「そうしてよね」
「現実を見てね」
「やっていくのね」
「僕は農民でね」
志賀は自分の職業から話した。
「農業担当だよね」
「日本のね」
「そう、日本のそれぞれの地形や気候を頭に入れて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「各地の農業を考えていっているわね」
「田畑とね、治水や灌漑のことも意見してるし」
その言葉も出してというのだ。
「何といっても皆がお腹一杯食べられる」
「そのことを目指してるのよね」
「お野菜や果物も」
主食だけでなくだ。
「考えているよ」
「それぞれの土地にどういった作物がいいか」
「いつもね。例えば都がある山城は」
この国はというと。
「お水がいいからいい水田を持てるしお茶もね」
「お茶いけるわね、山城は」
「だからお茶畑を作る様にしていくよ」
「考えてるわね」
「薩摩だと薩摩芋だね」
何と言ってもという言葉だった。
「大根もあるけれどね」
「あそこは桜島のせいで水田は少ないけれど」
どうしてもそうなってしまうことをだ、亜紀は話した。
「それをなのね」
「薩摩芋でカバーしてね」
「あそこでも皆がお腹一杯食べられる様にしているのね」
「そうしているよ。蝦夷には品種改良して寒冷地も大丈夫なお米を導入して」
そうしてというのだ。
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