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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  19:能書きはいい、薬をよこせ。

 
前書き
令和です。
何時もの1日更新ですが、
今回は令和1発目の更新でも在ります。 

 
(緑の旅の扉地方)
リュカSIDE

小高い岩山に囲まれた地へと続く朽ちた門を潜ると、眼前には巨大な世界樹……の枯れ果てた姿が存在した。
おかしいな……
生命の源たる世界樹で、エルを治す薬(もしくは材料)を入手するんじゃなかったけ?

取り敢えず周囲を隈無く探索するも、枯れ木や枯れ草が疎らに生えてるだけで薬(もしくは材料)になりそうな物は存在しない。入念に探索しすぎて日が暮れたし……
ただ、腐っても鯛じゃないけど、枯れても世界樹……生え際付近の水は毒化してない。

ならば何処かに薬(もしくは材料)があるかもしれない。
希望を込めて朽ちた世界樹に登ってみる。
朽ちたと言っても昔の面影を残しており、平均的な一軒家が丸々入りそうなくらいの太い幹が残っているからね。



土を盛ったり幹を削ったりしながら世界樹(だった樹)をピザ屋の宅配時間くらい登ると、現存する世界樹の天辺に到着した。低っ!
何かめぼしい物……特に薬(もしくは材料)はないかと一望する。

薬(もしくは材料)は無かったけども、何故だか男が一人居た。
でも顔色が悪いから、あれはきっと幽霊だ。
話しかけると面倒事を押しつけてくるぞ。

あ、目が合った。
如何する……見えない振りをするか?
でももしかしたら薬(もしくは材料)の事とかを知ってるかも知れないし……

……う~ん、仕方ない。これはエルの為なんだ。
面倒事を押しつけてきても我慢して言う事を聞こう。
アホリン(ノリン)が病気だったら無視するのになぁ……

「おい、薬の情報をよこせ!」
「何なんだ君は、いきなり!?」
既に目が合って、互いが互いの存在を認識してる事を理解してるから、単刀直入に話しかけたら驚かれた。

「ここは世界樹だったんだろ? そんな所に死んでまでも居続けてるんだから、この地に蔓延る病を根絶させる方法等を知ってるんだろ? だからさっさと薬の情報をよこせ」
「君は人との会話の仕方を知らないのか?」

「人との会話方法は知っている。まず挨拶から入って自己紹介して適当な話題を振ってから本題に入る! 馬鹿にするなよ」
「先程はいきなり本題だったが?」

「先程も言ったが『人との会話』であって、お前はもう死んでいる!」
あ……こんな台詞を言うんなら、胸に七つの傷を書いておけば良かった。
一応空を見上げて“死兆星(しちょうせい)”が見えてないか確認しておこう(笑)

「確かに君の言うとおり私は死者だが、それでも礼儀は必要だろう……っていうか会話中に突然空を見上げるのは何故だ!?」
「うるさいな。もう二度と出会わないんだから、礼儀とか好感度とか必要ないだろ! いいからこの地の病を根絶させる薬をよこせよ!」

「言い分は解るが、実行された者としては気に入らない」
「え、何……みっともなく這い蹲って教えを請う様な相手が良かったの? お前……ザドなの! うわぁ~……引くわぁ……」

「そ、そうではない! もっと……こう……丁度良い対応があるだろう! 普通の対応が!」
「普通って何さ!? 俺の普通はこれだもん! 『自分は神』とか嘯いているルビスにだってこうだもん!」

「ん……君はルビスと会った事があるのか?」
「会ったも何も、一度死んだ俺をこの世界に無理矢理連れてきて、『ビルダーして』って復興活動を強要してきたんだ。大昔にこの地を闇に閉ざしたゾーマ以上の悪人だね」
『酷い……』

幽霊野郎の質問に素直な感想を添えて答えると、頭の中にポツリと貧乳女神(ルビス)が呟いてきた。勿論無視だけどね。
「そうか……君はルビスに使わされたビルダーなのか」

「『使わされた』というよりも、強要されたビルダーだ。間違えるなよ」
「君ならば、この地に蔓延する病を根絶させる事も出来るやもしれない……」
俺の訂正を無視して何かを考え始める幽霊野郎。

「良いだろう。君に如何なる病も治癒できる(かもしれない)“聖なる滴”の製法を教えよう」
「ほぅ……それは凄いな。でもお前……今小声で『かもしれない』って言わなかった?」
聞き逃さないよ。

「君……性格は悪いが耳は良いな(汗)」
「そんな事無いよ。顔も良いよ」
ニガワラな幽霊野郎に満面の笑みで答える。

「仕方ないだろ……私は製法こそ思いついたが、実際に作れた事は無いんだ。作った事の無い薬の効果なんて保証の限りでは無い!」
「逆ギレかよ」

「と、兎も角……作り方を教えるから、メモるなりしたまえ!」








「……なるほど、大体解った。で、材料は何所に在る?」
幽霊野郎から万能特効薬(かもしれない)の製法を聞き、特殊な材料が必要な事を知った。だから当然の如く材料の在処を問う。

すると……
「……無い!」
「……無い?」

「まだこの世界樹が健在だった頃には、根元に沢山の材料“聖なる草”が生えておったが、今はもう無い」
「お前馬鹿なの!? 材料が無いんじゃ薬作れないじゃん! 作れないのに作り方聞いても意味ないじゃん!!」

「ま、まて……私が言いたいのは、必要数無いと言う事だ! 一人分の薬を作るのに必要なのは聖なる草5本だが、私の秘密の倉庫に1本だけ保管してあるんだ!」
「結論は同じだ馬鹿者! 数が足りないのでは製法も意味をなさない!」

「そ、そこまで死者の私には面倒をみれん。少なくとも希望は繋がったのだ……後は君が何とかしたまえ。あぁ、因みに私の秘密の倉庫は、直ぐそこの岩山にある。探してみるといい……」
「お、おい待てコラ!」

幽霊野郎は言いたい事だけ言って消えていった。
最後に秘密の倉庫とやらの場所を指さして。

リュカSIDE END 
 

 
後書き
短くてごめんなさい 
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