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オズのファイター大尉

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第八幕その三

「楽しくね」
「そうだね、この世界樹の中もね」 
 樵はお部屋の中を笑顔で見回しています。
「オズの国らしくね」
「楽しい世界だよ」
「そうだね」
「上の方には妖精さん達も遊びに来るし」
 芋虫はこのことを楽しそうに言います。
「皆の知り合いにも会えるかな」
「あっ、そういえば」
 ジャックは芋虫の言葉であることを思い出しました、その思い出したことは一体何かといいますと。
「最近ポリクロームに会ってないね」
「そういえばそうだね」
 トトも言われて気付きました。
「僕達はね」
「うん、元気なのは間違いないけれど」
「今どうしてるかな」
「気になるね」
「会えたらいいわね」
「そう思うと会えるよ」 
 大尉がジャックとトトに笑顔でお話しました。
「それがオズの国だから」
「だからだね」
「ポリクロームにも会えるんだね」
「そうなるんじゃないかな、じゃあね」
「ええ、今はね」
 まさにと言うドロシーでした、大尉に応えて。
「先に進みましょう」
「頂上まで行くのかな」
 カブトムシは他の虫達とポーカーを続けながらそのうえでドロシーのその言葉に尋ねました。
「そうしたいのかな」
「ええ、それで世界樹の花を見て」
「そうしてだね」
「頂上に行って」
 そうしてというのです。
「世界樹の葉を手に入れるつもりなの」
「あの葉をだね」
「あの葉をおじさんとおばさんが造るワインに入れて」
「最高のワインにするんだね」
「そのつもりなの」
「ドロシー王女はおじさんとおばさんが大好きだからね」
 ヘンリー叔父さんとエムおばさんがです。
「だからだね」
「そうなの、だからね」
 ドロシーもカブトムシにその通りだと答えます。
「ここまで来たから」
「頂上にまで行って」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「世界樹の花を見て」
「世界樹の葉も」
「それもね」
 そちらもというのです。
「手に入れるわ」
「そうするんだね、世界樹の葉はね」
「幾らでもあるわね」
「ここから上がったら」
 そうすればというのです。
「結構高い場所から幹と葉がある木だけれど」
「それでもね」
「物凄く沢山あるから」
「かなり貰っても大丈夫ね」
「そうなのよね」
「それで何枚貰うのかな」
 クワガタはドロシー達にこのことを尋ねました。
「それで」
「一枚よ」
「一枚なんだ」
「そう、一枚貰って」
 それだけだとです、ドロシーはクワガタに答えました。
「磨り潰してワインの中に入れて」
「味付けに使うんだ」
「一枚分だけでね」
 本当にそれだけでというのです。 
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