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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十四話 甘いものとお酒その四

「少数精鋭が自衛隊だし」
「そうだな」
「二年や三年で入れ替わる徴兵制よりも」
 この制度よりもだ。
「ずっといてくれる志願制の方がいいしね」
「徴兵制だと嫌々入る奴もいかねないな」
「だから士気も低いかも知れないし」
「しかも日本は国防が基本だろ」
「攻めないしね」
「だったら余計にだよ」
「国防だと海と空だから」
 陸よりもだ。
「どっちも数より質が大事になるから」
「徴兵制なんかなるか」
「戦前とは違うし戦前も」
 これは戦前の作家さんの人生を調べればわかることだ。
「誰もが軍隊に入ってないしね」
「徴兵制に合格するのは相当だったな」
「そうなんだよね」
 徴兵検査で甲乙丙丁の四段階で甲でしかも品行方正でないとなれなかった、実際はかなり厳密な選抜徴兵制だった。
「有名な作家さんで徴兵で行った人は」
「誰かお前も言えるな」
「志賀直哉位かな」
 夏目漱石や永井荷風は徴兵を避けようとしていた、ただ漱石は結核持ちだったので絶対に落ちていたと思う。
「しかもすぐに耳が悪いって除隊させられてるね」
「徴兵に合格したのはクラスで一人か二人だったからな」
「厳しいね」
「そんなのだったんだ」
 何か中学から都道府県トップの進学高校に行く感じだ。
「戦前でもな」
「それで今もね」
「なる筈ないだろ」
 徴兵制度復活とかだ。
「けれど共産主義国家は違うからな」
「どの国も徴兵制でね」
「誰もが軍隊に入る様な国なんだよ」
「そうだね、けれど北朝鮮は」
 その共産主義である筈なのにだ。
「特権階級だけでね」
「しかも予備戦力は国民の半分近くだからな」
「世紀の軍人が特権階級で」
「そんな滅茶苦茶さだぞ」
「戦前の日本より遥かに軍国主義だね」
「弾圧とか言うまでもないな」
 あの国はそうしたことでも有名だ。
「日本の特高警察の比じゃないからな」
「軍隊もそうで」
「弾圧もだぞ」
「もう何から何まで酷いね」
「最悪と言っていいな」
「本当に漫画の最悪の国だね」
 創作の世界の国かとしか思えない位だ。
「そんな国はよくて日本は駄目とか言うから」
「皇室や自衛隊や戦前の歴史や今の資本主義社会もな」
「全部どう考えても北朝鮮よりずっといいよ」
 問題があることも事実でもだ、皇室にしても君主という存在に批判があるのは人それぞれの意見だ。
 しかしだ、その皇室もあの国の共産主義だというのに世襲制の国家元首で一族支配というのよりは遥かにましだ。
「断言出来るよ」
「それがわかっていないからな」
「親父もその人に言ったんだ」
「保育所からやりなおせとも言ったさ」
「そこまで言ったんだ」
「ああ、あんまりだって思ったからな」
 それでというのだ。
「本気でな」
「それでそこからも言われたんだ」
「そしてそいつは今な」
「考えをあらためたかな」
「世の中ハッピーエンドばかりじゃないからな」
 これが親父の返事だった。 
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