八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百二十四話 甘いものとお酒その一
第二百二十四話 甘いものとお酒
僕は八条荘に戻ってから親父から電話がかかってきたので応えてそこで文化祭の話もすると親父は電話の向こうで笑って言ってきた。
「それはいいな」
「明治帝のことを調べて紹介することは」
「ああ、素晴しい方だからな」
「親父もそう言うんだ」
「当たり前だろ」
「当たり前?」
「あんな質素で国や民のことを考えられていたんだぞ」
親父は僕にこのことから話した。
「そんなこと俺は出来ないからな」
「それでなんだ」
「ああ、素晴しい方だってな」
「認めるんだね」
「皇太子殿下の宮だってな」
「東宮だね」
「設計をご覧になられて贅沢って言われてな」
「もっと質素なものにだよね」
「する様にされたしな」
「今の東宮かな」
皇居の中にある、だ。皇太子殿下とご家族が住まれる。
「あそこかな」
「多分あれだな」
「あそこは凄いね」
「とても宮殿に思えないだろ」
「一軒家みたいだよ」
本当にそうとしか見えないから凄い。
「あれはね」
「それだってな」
「親父にはなんだ」
「無理だからな」
「親父は贅沢じゃないんじゃ」
「おい、俺は贅沢だぞ」
即座に反論してきた。
「遊んでばかりだからな」
「それでそう言うんだ」
「ご子息が亡くなられてな」
「ああ、会議に出られてたね」
「そこまでご公務に向かわれていたからな」
「公を最優先されていたんだね」
「そのこともな」
親父にとってはというのだ。
「偉大だよ、俺は今上陛下が一番好きだけれどな」
「そうなんだ」
「ああ、あの方も素晴らしい方だろ、けれどな」
それでもいうのだ。
「明治帝、昭和帝もな」
「好きなんだね」
「ああ、どの方も尊敬出来る方だと思ってるぜ」
「そうなんだね」
「大正帝もな」
「あっ」
この方のお名前が出てだ、僕は思わず言ってしまった。
「その方もおられたね」
「忘れてたか?」
「ちょっとね」
「影薄いとか思ってるだろ」
「そう言われたら」
僕も否定出来なかった。
「そうだね」
「大正は十五年だからな」
「明治は四十五年で」
数えでだ。
「昭和は六十四年でね」
「どっちも長いな」
「その間で十五年で」
年数の短さもあるがだ。
「大正帝ご自身がどうも」
「影の薄い方か」
「そんな感じだから」
「確かにあの方は存在感ないさ」
「親父もそう言うんだ」
「どうしてもな、お父上とご子息が凄過ぎたしな」
その明治帝と昭和帝がだ。
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