インフィニット・ロックマン~黒の弟と青の姉~
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困惑
古城エリア
チフユが一旦研究所に戻っていた頃、ロックマンはワイリーの戦闘ロボットが改造したという城に乗り込んでいた。途中でブルースに会い、勝負を挑まれ彼からブルースシールドを受け取った後、城の奥へと進んでいた。
『奴には気をつけろ・・・・・』
去り際にブルースが言い残した言葉にロックマンを首を傾げていた。
(気をつけろっていったいどういう事なんだろう?もしかしてワイリー以外の誰かが動き出しているというのかな?まさか、フォルテ?いや、そんなことは・・・・・・)
トラップを掻い潜って進んで行くと跪いたフォルテの姿があった。
「フォルテ!?」
「俺としたことが・・・・雑魚相手に油断しちまったぜ。」
ダメージを受けているのかフォルテは痛みに耐えている様子だった。
「ちいっ!こんなところでダメージを受けちまうとはよ・・・・挙句の果てにこんな無様な姿をお前に見られちまった。この腕じゃ俺も引退だな・・・・・ワイリーを倒す役割はお前に譲るぜ、ロックマン。」
「そんなことないよ!僕がライト博士に連絡しておくから直してもらって一緒に戦おうよ!」
ロックマンはライトと通信をしてフォルテの修理を頼む。
ライトもこれは絶好のチャンスだと思い、了解した。
「すまないな。だが、お前のその優しさが命取りにならなきゃいいがな。」
「?」
「いや、何でもない。後は頼んだ。行くぞ、ゴスペル。」
『ガォオーン、ガオガオ!!』
そう言うとフォルテはゴスペルと共に転送装置で離脱して行った。ロックマンはそのままそのエリアを占拠していたシェードマンに挑む。
フォルテがライト研究所に着いたのはチフユが次の場所へ出かけた直後だった。
「スラッシュクロー!!」
「ビヨヨ~ン!?」
チフユは一回戻った後、次は街のテーマパークを占拠したスプリングマンと交戦し、決着が着こうとしていた。スプリングマンの体が真っ二つに分かれる。
「ビヨヨ~ン・・・・まさか・・・・・この俺様のバネが斬られるとは・・・・・・・・ワイリー様、ごめんなさ~いぃ!!グワアッ!?」
スプリングマンは倒れ、機能を停止する。
「ふう・・・・・」
チフユはバスターを戻して一呼吸置いた。
「これで残りはロックの所だけか。」
チフユは、スプリングマンから技を学習すると研究所へと戻って行く。
しかし、研究所に戻ると何故か研究所が破壊されており、ボロボロになったライトと帰ってきたばかりのロックマンの姿があった。
「お父さん!ロック!!」
チフユは慌てて二人に駆け寄る。
「おぉ・・・・チフユ、戻ってきたか。」
「これは一体・・・・・」
「フォ・・・・・フォルテが修理が終わると急に暴れ出して・・・・・ロックマンとラッシュのパワーアップ設計図を奪って行ったのじゃ・・・・・・」
「フォルテが?・・・・いや、待てよ。ロックとラッシュのパワーアップ設計図・・・・・フォルテとゴスペル・・・・・まさか!?」
『ご名答、そのまさかじゃよ。』
チフユが何かを察した直後、唯一破壊を免れたモニターにワイリーの姿が映し出された。
『久しぶりじゃのう、ライト。調子はどうかね?』
「ワイリー・・・・・・」
『お前の察しの通り、フォルテとゴスペルは、このワシが作ったものじゃ。そして、ロックマン。お前の性能を確かめるために、フォルテに一芝居打たせて研究所に潜り込ませたがまんまと引っかかってくれたのう。前はチフユの直感で失敗したがそのチフユすら誤魔化せたとはなぁ。ワシはこれからこの設計図を基にパワーアップを・・・・・・・』
「ふざけるな!!」
「「『!?』」」
ライトの怒鳴りに三人は思わず言葉を遮る。
「あれがロボットじゃと?ワイリー!貴様、そこまで落ちぶれたというのか!!」
「は、博士?」
「お父さん?」
普段は見せないライトの表情にロックマンと千冬は動揺する。しかし、ワイリーの方はすぐに落ち着きを取り戻した。
『・・・・・・・なるほど、もうそこまで知りおったか。流石は元盟友と言ったところだな。じゃが、お前に言われる義理はないぞ、ライト。』
「ワイリー・・・・」
『まあ、ワシからお前にこれ以上言う事は特にない。どうせ、いつもみたいに乗り込んでくるんじゃろう?待っておるぞ、ガッハッハッハッハッハ!!』
ワイリーは一笑いすると回線を切る。ライトは一呼吸をして二人の顔を見る。
「ロックマン、すぐにワイリーの城に向かうんじゃ。奴がこれ以上人の道を外さんうちに・・・・・・」
「わ、分かりました。ライト博士。」
ロックマンは座標に出たワイリーキャッスルの反応を辿って転送される。チフユもついて行こうとするがそこをライトに制される。
「・・・・すまんがチフユは残ってくれ。大事な話がある。」
「えっ?」
ロックマンを見送るとライトはチフユを連れて万が一の時に備えて待機させておいた「ビッグエディ」へと向かう。
「お父さん・・・・・・一体何が・・・・・」
中に入り、何かの準備を始めるライトを見てチフユは心配そうに言う。
「チフユ、すまんがお前の血液を採取させておくれ。」
「?」
ライトが何をしようとしているのか分からなかったチフユは、言われるがままに血液を採取させる。そして、ポケットから取り出した何かの血液のサンプルと一緒に精密機械に入れて、検査を行う。
「・・・・・・・・・やっぱり、そうか・・・・・・・」
「どうしたんですか?大事な話というのも・・・・・・」
チフユは頭を抱えるライトに駆け寄る。ライトは重苦しい顔で口を開いた。
「チフユ・・・・・・さっき、お前の血液と一緒に検査を行った血液は・・・・・・・フォルテから採取したものなのじゃ。」
「・・・・・えっ?」
ライトの言葉にチフユは思わず言葉を失う。
「わしは・・・・・ロックマンの要請でフォルテの修理を行うとき、奴の体の一部を分解してみた・・・・・じゃが中には機械ではなく人工臓器と生身の肉体で構成されたものじゃった。フォルテはロボットではなく、サイボーグだったのじゃ・・・・・・・不審に思ったわしは、眠っているフォルテから血液を採取してお前の血液と比べて見た・・・・・するとお前の血液と同じA型、遺伝子も調べてみたがほとんどがお前と同じ構造になっておった・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「チフユ・・・・・・信じられる話とは思えんが・・・・・・フォルテはおそらく・・・・・・・」
ワイリーキャッスル
ロックマンは、ワイリーを止めるべく既に城の中に侵入していた。
「急いでDr.ワイリーを止めないと・・・・・・・・」
ロックマンは、回転する足場を巧みに使いこなし、階段を上り終え、一つ目の大きな部屋へと辿り着く。そこにはフォルテが待ち構えていた。
「また、会ったな。ロックマン。」
「フォルテ!?」
「Dr.ワイリーはお前を恐れているようだがお前など俺一人で十分だ!」
フォルテは戦う気満々だった。
(・・・・・確かにフォルテはワイリーが作ったロボットだ・・・・・・でも、チフユ姉さんとの関係を考えるとワイリーがイチカ君と繋がりを持っているとは考えにくい。だとしたら、フォルテは一体・・・・・・・)
「行くぞ!ロックマン!!お前を倒してこの俺が最強のロボットであることを証明してやる!!」
フォルテはバスターでロックマンに攻撃を開始する。
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