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夢幻水滸伝

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第八十八話 会津の攻防その八

 幸田は実際に昼は攻めなかった、だが夜も攻めずただ囲んだまま一週間が過ぎた。その状況を見てだった。
 宮子は会津若松城の天守閣の最上階から城を囲む軍勢を見つつ共にいる宮沢と千歳に対して言った。
「今は攻めて来ないけれど」
「攻めて来るだ」
 間違いなくだとだ、宮沢も言った。
「その時を待っているだ」
「そうよね、おそらくね」
「兵達がだれるのをだ」
「待ってるわね」
「間違いないだ」
「そうね、じゃあ」
 それならとだ、都はまた言った。
「警戒はね」
「緩めないだ」
「兵達に言って」
「そうならない様にしておくだ」
 こう言うのだった。
「ここは」
「それがいいわね、けれど」
 千歳は空を見た、そうして今は晴れ渡っている青空を見つつ言った。
「絶対にね」
「攻めてきてだ」
「それは空からね。けれど」
「おめがだな」
「ええ、私は風水師だから」
 それでとだ、千歳は宮沢に答えた。
「その時はね」
「天気をだな」
「変えるわ、そうして」 
 そのうえでというのだ。
「空から攻めさせないわ」
「そうするだな」
「そこは任せて、それに」
「対空砲に大矢もあるだ」
 それもというのだ。
「だからだ」
「空から攻められても」
「守られるだな」
「そう簡単にはね」
 攻め落とせないとだ、千歳も言った。
「させないわよね」
「当然だ、意地見せるだ」
 宮沢は強い言葉で述べた。
「そうして勝つだ」
「そうね、じゃあ」
「戦いましょう」
 三人共対策も考えそのうえで攻めるのを待っていた、だがそれは関東の方も同じで日毬は本陣で幸田をはじめとした他の星の者達に言った。
「敵には優れた風水師もいる」
「ああ、小林さんね」
 武者小路が応えた。
「彼女がいるから」
「その通りだ」
 日毬は強い声で言った。
「空から攻めることは有効だが」
「それでもですね」
「その際注意すべきだ」
「小林さんが動かす気候の変化は」
「雨を降らせたり嵐を起こしたり」
「竜巻にしても」
「色々ある」
 気候を使った戦い方はというのだ。
「だからだ」
「ここはそのことに注意して」
「そうして攻めるが」 
 それでもというのだ。
「果たしてどうするかだ」
「一体な」
「じゃああれだな」
 幸田は日毬の言葉をここまで聞いて述べた。
「空から攻める、しかしな」
「砲撃や爆撃はか」
「行わないでな」
「別の攻め方でいくか」
「空船を城の中に強引に着陸させるんだよ」
「空挺ではないな」
 日毬は現代の言葉を出して幸田に応えた。
「その戦い方は」
「ああ、自衛隊がよくやるな」
「それではないな」
「それもいいけれどな」
 しかしとだ、幸田は日毬に答えて述べた。 
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