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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十二話 日本の悪役その十三

「悪人とはです」
「思っていないよね」
「とても」
「そうだよね、何ていうか」
 僕から見るとだ。
「清盛さんより頼朝さんの方がね」
「悪人ですよね」
「身内全部殺したからね」
 源氏の血につながる人達をだ。
「もうそれこそね」
「ご自身の子供さん達以外は」
「直系全然残ってないよ」
 源為義のその血筋はだ。
「頼朝さんもかなり殺したから」
「義経さんもそうですし」
「それで家臣もだから」
 もっと言えば奥州藤原氏もだ、勿論平家もだ。
「敵とみなしたら根絶やしにする」
「そんな人でしたね」
「そういうのを観たら」
「清盛さんよりも」
「頼朝さんの方が悪いよ」
「そうですね」
「結果誰もいなくなったから」
 源氏の直径は完全に絶えた、一人もいなくなっていた。
「因果応報でも」
「それでもですね」
「酷いからね、その源氏を観たら」
「平家、そして清盛さんはですね」
「ずっといい人で実際にね」
「いい人ですね」
「だから厳島の神様も平家庇ったんだろうね」
 日本の神様が集まって平家をどうしようかという時に平家の守り神として一柱だけ平家の弁護をしたという。
「そうだろうね」
「守り神としてだけでなく」
「厳島の神様は平家を理解していたんだよ」
「悪い人達ではないと」
「特に清盛さんをね」
「はい、ああした人はです」 
 小夜子さんは微笑んでこうも言った。
「是非です」
「是非っていうと」
「一族の長か上司や先輩に欲しいですね」
「それも大元締めみたいな」
「そうした立場の人で」
「そうだね、頭がいいだけじゃなくてね」
「優しくて器も大きいので」
 だからだというのだ。
「私としましては」
「ああした人にだね」
「トップにいて欲しいですね」
「そうだね、毛利元就さんもいいけれど」
 毛利家の当主としては立派で家はまとまっていた、謀略を駆使していてもこのことは事実であった。
「清盛さんはね」
「別格ですね」
「ああした人がトップだと」
 そこにいてくれているとだ。
「まとまるね」
「それもかなりよく」
「頼朝さんもトップだけれど」
「あの人は」
 顔を曇らせてだ、小夜子さんは僕に答えた。 
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