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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十一話 運動会が終わってもその十

「もう敵のボスがね」
「強いんだね」
「第一部じゃもう一人の主人公でね」
 その時から圧倒的な存在感があった。
「無茶苦茶強くて美形で恰好よくて」
「悪い奴だよね」
「とんでもなく悪い奴でね、石仮面被ってね」
「ああ、あの漫画だね」
 金君は石仮面でわかった。
「あの漫画は面白いね」
「そうだよね」
「確かにあのキャラ凄いね」
 どの漫画かわかると金君も即意妙答というかもう僕が話すよりも彼の方でわかっている風になっていた。
「悪のカリスマだね」
「そう、悪役でもね」
「カリスマ的になって」
「それでね」
「人気が出るね」
「あそこまでキャラが立ってることは滅多にないけれど」
 描く人の力量、それがどうしても出てしまう、悪役でもあそこまで格好良く描ける人は滅多にいない。勿論主役もそうだから凄い。
「悪役も恰好よく」
「それが日本だね」
「歌舞伎でもそうだしね」
 このジャンルでもだ。
「盗人の白波五人男も恰好いいし」
「ああ、歌舞伎部がよく演目で出すね」
「石川五右衛門もそうだしね」
 南禅寺で堂々と絶景とか言っている。
「天竺徳兵衛も日本乗っ取りとか企んでるけれど」
「悪人だね」
「恰好いいからね」
 尚この人達は主人公だ。
「先代萩の仁木弾正とかもね」
「歌舞伎もなんだね」
「もう悪人でも」 
 五人男も非道はしないけれど殺人はしている。
「それでもね」
「恰好よくてだね」
「風格もあったりして」
「人気が出て」
「そうじゃないとね」
 悪役がそうでないとだ。
「作品としてね」
「どうかってなるんだね」
「うん、ニヒルな敵も常だしね」
 中にはとんでもないニヒルキャラがいる、人を斬ることが趣味とかいう人斬り侍がその定番だろうか。
「独自の考えを持っている」
「そうして悪役もよくないと」
「だから鞍馬天狗でもなんだ」
「新選組は敵役でも」
「恰好いいんだ」
 キャラが実に立っている。
「これがね」
「そうなんだね」
「敵役でもね」
「恰好よくて」
「美学があって」
 それが独自でもだ。
「そんなのだとね」
「人気が出るんだね」
「むしろそうした敵の方がね」
「日本では多いんだね」
「何の理念もない悪役とか」
 もう支配したいだけとかいう悪役はだ。
「最近はないね」
「そうなんだね」
「昔の特撮だと世界征服が多かったけれどね」
 ショッカー等がそうだった。
「それで怪人だけの社会を築くとか」
「それで悪の限りを尽くす」
「そんなわかりやすい組織が多かったけれど」
 ダムに毒を流したりしていた。 
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