八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百二十一話 運動会が終わってもその五
「海軍とかでも飲んで」
「定着したね」
「カレーライスと一緒だね」
「海軍が関わっていると」
「そうなるね」
「コーヒーもそうだったら」
ここで僕は思った。
「文明開化として」
「クラスでやってもいいね」
「そうだね、それもいいかな」
「それじゃあね」
「いいな」
他のクラスメイトの子も言ってきた。
「コーヒーだとな」
「すぐに出せるしな」
「用意も出来るしな」
「安定して売れるし」
「いいな」
「それじゃあな」
他の皆も言ってきた。
「うちはコーヒーハウスするか」
「珈琲ハウスになるか」
「文明開化の味って宣伝でな」
「出すといいかもな」
「そうだよな」
「うん、いいかもね」
僕も皆に応えた。
「コーヒーも」
「そうだよな」
「コーヒーだけで足りないなら紅茶も出すか」
「あれも維新の頃に入ったんだよな」
「イギリスからな」
「そうだね、英吉利って書いていたね」
この漢字読みが素敵だと思う、明治の頃の文学関係の人達の言葉の使い方の見事さには本当に脱帽ものだ。
「あの国から入ったんだよね」
「あの時にな」
「そう思うと」
「紅茶出してもいいな」
「そうだね、維新の味ってことで」
例えその中身が今のティーパックのものでもだ。
「出してもいいね」
「じゃあそれでいくか」
「紅茶も出して」
「コーヒーだけじゃなくてな」
「そういえば」
また金君が言ってきた。
「坂本龍馬はコーヒー飲んでいたかな」
「いや、多分ね」
「飲んでいなかったんだ」
「その前に死んだよ」
「暗殺されてだね」
「うん、新しいもんをどんどん学んで取り入れていたけれど」
ピストルも持っていたし靴も履いていたけれどだ。
「それでもね」
「コーヒーについては」
「ひょっとしてとも思うけれど」
「多分だね」
「飲んでいなかったよ」
「そうなんだね」
「伊藤博文さんは飲んだと思うけれど」
欧州に行っていることもあってだ。
「あの人はね」
「飲んでいないんだね」
「うん、それはそれで似合うと思うけれど」
写真の坂本龍馬がコーヒーカップを右手に持って飲んでいる風景を想像した、すると結構様になっている感じがした。
「それでもね」
「その前に暗殺されて」
「残念だけれどね」
「軍鶏鍋だけだったんだね」
「暗殺される前に食べようとしたんだよね」
そこに見廻り組が来て殺されたということだ。
「残念だけれど」
「そうだったんだね」
「ちなみにその当時は新選組犯行説が強かったんだ」
調べるとそうだったという。
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