八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百二十一話 運動会が終わってもその三
「二代目になるんだよね」
「ああ、あの戦争で焼けたからな」
「それで建てなおしたからな」
「二代目だな」
「この前の地震でも壊れたけれどな」
「あの戦争で明治維新終わった感じがするんだよね」
西郷さんの死と共にだ。
「幕末からの長い戦いも」
「色々あったけれどな」
「黒船から」
「それで西郷さんも死んでな」
「明治時代も新しい時代に入った感じがするな」
「その後も戦争あったけれどね」
今度は日清戦争と日露戦争だ。
「それはもう別の時代だからね」
「そうだよな」
「また別の時代だしな」
「幕末から維新には入らないな」
「その頃のことは」
「そうだね、それにね」
僕は皆にさらに話した。
「明治維新だと文明開化でもあるから」
「すき焼きか?」
「あとざんばら髪か」
「そんな時代か」
「あと歌舞伎だと白波五人男で」
丁度幕末の作品だったりする。
「三代目澤村田之助もだったね」
「あの人まずいよ」
田口君という子が僕の今の話に曇った顔で言ってきた。
「絶対にクラスで出さない方がいいよ」
「えっ、そうなんだ」
「あの人鉛か糖尿か両方かわからないけれど」
僕にこう前置きして話してくれた。
「両足なくなって右手首も左手も小指以外全部なくなるから」
「そういえば」
「この話知ってるよね」
「うん、思い出したよ」
言われてそれでだ。
「そうだったね」
「だからね」
「ちょっと題材に使うには」
「ヘビー過ぎるよ」
「幕末の中でも」
「新選組以上にね」
あの切った張ったの人達よりもというのだ。
「ヘビーになるから」
「やらない方がいいね」
「五人男はいいけれど歌舞伎だから」
「そっちに話がいって」
「幕末としてはどうかな」
幕末の作品でもというのだ。
「だからね」
「こういうのは外してだね」
「そしてね」
「考えていこうか」
「そうだね、じゃあね」
ここで僕が言ったのはというと。
「僕伊藤博文さん好きだから」
「幕末にもいたしね」
「主に活躍するのは明治だけれどね」
まさに明治を代表する政治家として快刀乱麻と言うべき活躍をする、この人がいないと明治の日本はどうなっていただろう。
「幕末にもね」
「関わっていたね」
「うん、メインじゃなかったけれどね」
「あの頃の長州の人だと」
「高杉晋作とかね」
「桂小五郎だね」
後の木戸孝允だ。
「死んだ人も結構いるけれど」
「高杉晋作も途中で死ぬしね」
「結核でね」
僅か二十八歳でだ。
「そうなったけれど」
「大体その人達だね」
「伊藤博文は少し年下だったからね」
これは同じ松下村塾にいた山縣有朋もだ。
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