八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百二十話 運動会が終わってその二
「頭脳戦はいいけれど」
「それがスポーツマンシップに反することならね」
「駄目だからね」
「ルールは守らないとね」
「そうそう」
僕は中島さんのその言葉に頷いて応えた。
「それは絶対だよ」
「じゃあこのままね」
「最後の最後までね」
「やっていきましょう」
「そうしていこうね」
こうした話もしてだった。
僕達は午後の競技も進めていった、そうして。
終わるとやっぱりS組が勝利で僕達は打ち上げのカラオケボックスの中で歌って飲みながらこんなことを話した。
「圧倒的だったな」
「S組ぶっちぎりだったな」
「てんで勝負にならなかったな」
「本当にな」
「今年はね」
七人位いる、全員男子だ。僕もその中にいて話した。
「S組特に強かったからね」
「ああ、毎年運動会はあそこだけれどな」
「今年は特にだったからな」
「強いなんてものじゃなくてな」
「どうにもならなかったな」
「本当にね」
僕もこう言うしかなかった、正直敵の筈なのにその活躍を観ていて見事とさえ思った程だ。
「今年はどうにもならなかったね」
「何か大谷翔平さんが何人かいるみたいな」
「そんな風だったな」
「こう言うと言い過ぎかも知れないけれどな」
「本当に強かったな」
「それは嘘じゃないからな」
「やっぱりあれだね、練習は嘘を吐かない」
僕はここでこの言葉を出した。
「そういうことだね」
「それな」
「S組は本当に練習とか違うからな」
「スポーツのクラスだしな」
「俺達とは違うからな」
「部活でもそうだしね」
S組の子達の学園生活のメインとも言えるこちらでもだ。
「やっぱりね」
「練習が違うからな」
「それがはっきり出てな」
「S組は全員レギュラーだからな」
「どの部活でもな」
「そうだからね」
こう皆に話した。
「やっぱり何もかもが違うよ」
「だよな、やっぱり」
「練習は本当に嘘吐かないな」
「あと勉強もな」
「努力すれば結果が出る」
「それ本当だな」
「うん、歌だってね」
僕は今皆で楽しんでいるこちらのことを話した。
「レッスン受けて練習していったら」
「それで、だよな」
「歌上手くなるよな」
「音痴でもレッスン積めば上手になる」
「そう言うしか」
「プラシド=ドミンゴだってね」
世界的なテノール歌手のこの人もだ、歌劇の世界だとやっぱりこの人が第一人者と言って問題ないだろう。
「物凄く練習してね」
「勉強してか」
「あれだけ凄い人になるか」
「そうなんだな」
「語学の勉強もね」
ドミンゴはスペイン人だけれどドイツオペラも歌うからだ、ロシアオペラまでというから物凄い人だ。
「してね」
「そうしてるからか」
「努力を欠かさないからか」
「世界的な歌手になったんだな」
「才能だけじゃないか」
「ドミンゴはやっぱり才能あるよ」
ない筈がない、あの世界はそもそも才能があってこそだ。けれど才能だけでどうにかなる世界でもない。
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