八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百十九話 午後の競技その十二
「日本に渡ってね」
「そうしてな」
「定住したっていうけれど」
「じゃあ徐福ならな」
「本当にそれで納得出来たよ」
まだ武帝よりもだ。
「武帝は流石にね」
「皇帝として政治やってたからな」
「あの人色々やってたからね」
匈奴と戦ったり塩や鉄を国家の専売にしたり儒教を国教にしたりだ、教科書にも出て来る有名人だ。
「司馬遷も処罰したし」
「それはよくないことだけれどな」
「そうだけれどね」
死罪にしようとして司馬遷はそれよりはと宦官になる道を選んだ。そうして宦官になった屈辱に耐えて史記を書いたのだ。
「そうしたこともして」
「忙しかったな」
「だからね」
「日本に来るとかな」
「そんな暇ないしそもそも」
僕はさらに話した。
「あの人当時の中国から出た記録ないよ」
「そもそもか」
「ずっと長安にいて」
当時の漢の都だ、後に隋や唐の都にもなる。
「そこで政治を執っていたから」
「だからか」
「巡幸には行ったし泰山にも登ったけれど」
「基本長安にいたか」
「それで中国の領土からは」
そもそも中国の領土を出た皇帝は滅多にいない、外征や捕虜になって連れて行かれてはあったにしてもだ。
「出ていない筈だから」
「じゃあ日本に来たのは伝説か」
「間違いなくね」
「本当に徐福の方が信じられるか」
「あの人なら本当にだよ」
まだというレベルではあってもだ。
「有り得るけれど」
「何で武帝なんだろうな」
「そこがわからないんだよね」
僕にしてもだ。
「有名人だからかな」
「当時の日本でもか」
「それでかも知れないね、それでもね」
僕にしてもだ、思うことは。
「本当に有り得ない話だね」
「武帝が日本に来たとかはな」
「仙術か何かで来たにしても」
「武帝の周りに仙人がいてか」
「実際いたけれどね」
東方朔という人物だ、史記では滑稽列伝に登場していて仙人の話だと本当に仙人になって逸話も残っている。
「それでも本当に忙しかったから」
「中国も出ていないか」
「それは間違いないしね」
「面白い話にしてもな」
「荒唐無稽だね」
「そうだよな、けれどナマハゲにこうした話があることはな」
このこと自体はというのだ。
「実際の話でな」
「うん、それでだね」
「面白いよな」
「それはね」
僕も頷いた、そうしたことも話しながら運動会の競技をしていった。勿論綱引きもダンスも両方した。
第二百十九話 完
2019・1・8
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