| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百十八話 運動会の昼食その六

「あまり射程なさそうですね、ピストルは」
「はい、有効射程は五十メートル程でよく狙わないとです」
「当てられないですか」
「そうした代物です、それで来るなら」
「畑中さんもですか」
「対抗手段があります」
 それをもうお持ちだというのだ。
「ですから」
「ピストルを出されてもですか」
「私だけではないですし」
「他の腕の立つ方も来られるので」
「ご安心下さい、表は表のやり方があります」
「裏の世界が苦手でもですね」
「それもありますので」
 だからだというのだ。
「必ず奥様を助け出して」
「それからはですね」
「止様がご夫婦で暮らされます」
「お袋と二人で、ですね」
「そうなります、止様は今イタリアにおられるので」 
 あちらで幸せに暮らしてはいる、欧州中を飛び回って色々手術に遊びにと励んでいるが本拠地はそこにある。
「イタリアで、です」
「夫婦水入らずで、ですか」
「暮らされることになります」
「それはいいですね、ただ」
「ただとは」
「いえ、親父は相変わらずですから」
 僕は海老フライを食べつつ畑中さんにお話した。
「遊んでますから」
「奥様はその止様を選ばれましたから」
「最初からとんでもない遊び人であるということをですね」
「承知で、です」
「親父と結婚したから」
「ご安心下さい」 
 このこともというのだ。
「義和様も」
「ずっとあの女好きと遊び好きで逃げたと思ってました」
 親父自身もこう言っていたこともあってだ。
「そのこともありますから」
「だからですね」
「親父の女好きは気になります」
 酒池肉林の生活を続けているとだ、この場合の酒池肉林はお酒とご馳走だけじゃなくて女性も入る。
「お袋も大丈夫かって」
「ですがそのことをです」
「お袋はわかっていてですね」
「一緒になられたのですから」
 このことだけでも稀有なことだと思う、あんな滅茶苦茶さがいいのなら。
「ですから」
「もうこのことはですね」
「お気になさらずに」
 そうしてというのだ。
「義和様も」
「そうですか」
「はい、必ずです」
「親父とお袋はですね」
「また以前の様にです」
「夫婦で幸せに、ですね」
「過ごされることになります」
 こう僕にお話してくれた。
「そうなりますので」
「お袋を助けられた後は」
「ハッピーエンドとなります」
 確実にという返事だった。
「勿論ハッピーエンドは続けないといけないです」
「夫婦生活に戻れても」
「お互いが努力しないと」
「夫婦生活は破綻するっていいますしね」
「はい、実際にです」
「結婚してもですね」
「破綻した家庭は多いです」
「それも現実ですね」
「そうです、現実は中々です」
「厳しいですよね」
「折角一緒になれても」
 それでもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧