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香水と蝶

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第三章

「つまりあいつはな」
「薬剤師の技術を悪用していますね」
「そんな奴や、自分の技術を悪用して儲ける」
 眉を顰めさせてだ、スーンは市長に話した。
「時々おる奴やな」
「わい等の技術は悪用しようと思えば幾らでも出来る」
 ロシティーも言うことだった。
「そやからな」
「そや、それでや」
「あいつもやな」
「技術を悪用してな」
 そうしてというのだ。
「この街で何やしてるな」
「実はあの男は今の騒動を解決出来るとです」
「名乗り出てか」
「そうです、冒険者としてもです」
「まんま自作自演やな」
 ロシティーもここで言った。
「それやったら」
「ほんまやな」
 スーンはロシティーのその言葉に頷いた。
「見事なまでの」
「わざわざこの街に来てな」
「そうしてるか」
「依頼を出したこちらも胡散臭いと思い」
 市長はまた二人に話した。
「そしてです」
「保留してたんやな」
「今回の騒動を解決出来るのは自分だけだと言ってますが」
「保留して正解や」
 スーンは怒った顔で言った。
「そんな自作自演を許したらな」
「悪党に金を巻き上げられる」
「そんなものやからな」
「それで、ですね」
「保留して正解やった」
 まさにというのだ。
「ほんまにな」
「やはりそうですか」
「それでや」
 さらにだ、スーンは市長に話した。
「あの胡散臭い男はしょっちゅう街中歩いてるな」
「はい、ただ家はありまして」
「それはあるんか」
「この街に来ると同時に」
 その時にというのだ。
「アパートを借りて」
「それでかいな」
「そこで暮らしています」
「そうか、ほなここはな」
「ここはといいますと」
「あの男の家に入ってと思うやろ」
 スーンは面白そうに笑ってだった、市長に言った。
「ここで」
「それはされないですか」
「そや、それはな」
「されないで」
「別の方法でいく」
「と、いいますと」
「偽名使っててもあいつは薬剤師や」
 この職業にあるということは間違いないというのだ。 
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