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オズのファイター大尉

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第三幕その十

「ご存知だと思います」
「成程ね」
「それでなんです」
 さらにお話する神宝でした。
「やっぱり見事なお髭に青龍偃月刀を持っていて」
「うん、その通りだよ」
「赤いお顔で切れ長の目なんですね」
「そして凄く大きいんだ」
「もう私なんてね」
 ドロシーも関羽さんについて笑顔でお話します、中華街の中を楽しく皆と一緒に歩きながらそうします。
「関羽さんの何分の一位の大きさかしら」
「そこまで違いますか」
「体重なんて」
 それこそというのです。
「背も違うし体格もね」
「もう体重になると」
「関羽さんの何分の一かしらね」
 そこまで違うというのです。
「本当にね」
「確かに関羽さんは大きいですしね」
「そうでしょ、あんな大きい人はオズの国でも滅多にいないから」
「人間としては」
 それこそと言ったのはトトでした。
「オズの国でもそうそういないよね」
「そこまで大きな人よね」
「プロレスラーとかアメリカンフットボーラーとか」
「それ位の大きさよね」
「関羽さんこうした人達よりも強いし」
「圧倒的な位にね」
 ただ大きいだけでないのが関羽さんなのです。
「そんな人だから」
「私なんて何分の一よ」
「僕なんか何十分の一かな」 
 トトは笑って自分のこともお話しました。
「一体」
「わかったものじゃないわね」
「本当にね」
「関羽さんの大きさは」
 ジャックも言います。
「凄いんだよね、しかも大きいのはね」
「身体だけじゃないからね」
 かかしがジャックに応えました。
「お心もね」
「うん、凄く大きくてね」
「子供達にも凄く優しい」
「立派な人だよ」
「まさに真の豪傑、武人だよ」
 樵もこう言って関羽さんを誉めます。
「神様になっているだけはあるよ」
「そう、関羽さんは神様なんですよ」
 実際にとです、神宝はかかし達にも熱い声でお話します。
「強くて立派ですから。中国では岳飛さんと同じだけ人気があります」
「岳飛さんだね」
「はい、あの人のことは」
「うん、中華街のトランプでも出ているよ」
「そうなんですか」
「最強のカード、ジョーカーとしてね」
 このカードで、というのです。
「出ているよ」
「ああ、ジョーカーですか」
「ババ抜きだったら厄介者になるけれど」
「いえ、その場合はもう特別に」
 岳飛さんがジョーカーならと言う神宝でした。
「最後まで岳飛さんを持っていたから」
「逆にだね」
「いいじゃないですか」
「そうなるんだね」
「岳飛さんは関羽さんと同じだけ立派な人ですよ」
「同じだけだね」
「どちらがよりかといいますと」
 このことはというのです。 
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