八条学園騒動記
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第五百五話 水族館と動物園その六
「しかしな」
「あくまでね」
「あれはか」
「遊牧用の馬じゃないから」
「だから乗らないか」
「遊牧、つまりモンゴル人が普通乗る馬はね」
「道産子みたいなか」
ダンは例えとしてこの馬の名前を出した。
「頑丈なものか」
「そう、頑丈第一だから」
遊牧の馬はというのだ。
「道産子はちょっと小さいけれど」
「普段乗るにはか」
「荷物運びにはいいけれど」
小型だが力があるからだ。
「ポニーみたいなね」
「それはいいけれどか」
「乗るのはもっと大きい馬よ」
「大型の道産子か」
「そう思っていいわ、今一緒にいる子達もね」
ナンが普段乗っている馬達もというのだ、尚ナンは馬を走らせて隣に走っている馬に飛び移って乗り換えることも出来る。
「そうした馬だから」
「そうか」
「そう、それで私はね」
道産子とモウコノウマの違いがというのだ。
「わかるけれど」
「それでもか」
「やっぱりダンには」
「サラブレッドはわかる」
この種類の馬はというのだ。
「他の種類の馬と違うことはな」
「大きさでよね」
「それでわかる」
「それがよ、馬は種類もっと言えばその子それぞれでね」
「違うか」
「そう、それぞれの子で顔立ちとかが違うの」
こうダンに話した。
「一匹一匹ね、それで種類によって」
「随分違うか」
「そうなのよ」
「それが馬か」
「ええ、ダンもペンギンだとわかるのよね」
「オオウミガラスもな」
こちらの鳥もというのだ。
「本当に一匹一匹でな」
「顔立ちが違うのね」
「俺はそれがわかるわ」
「私はね」
ナンはあらためて自分のことを話した。
「その子それぞれどころか」
「オオムガラスとペンギンの違いもか」
「わからないから」
「馬はわかってもか」
「もうこれはね」
それこそというのだ。
「その生きものといつも一緒にいたらわかることで」
「いないとか」
「わからないことでしょうね」
こうダンに話した。
「ちょっとね」
「草原にペンギンはいないからな」
「あの鳥は水辺にいるからね」
星によっては熱帯にいる種類もいるし淡水生のものもいる、淡水生のペンギンはタンスイペンギンと呼ばれる。
「草原にはね」
「いないな」
「逆に水族館というか海辺には馬はね」
「乗馬の施設はあってもな」
「縁がないわね」
「船だからな」
水とくればというのだ。
「だからな」
「そうよね、もう本当に違うわね」
「北馬南船というが」
地球にあった頃の中国の言葉だ、中国の地形は北は馬で南は船で行くと行き来しやすいという意味である。
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