八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百十三話 明るい宗教その七
「そこはね」
「わかっておかないとだね」
「こっちは嫌になるわ」
ベトナム人としてはというのだ。
「どうもね」
「それで生春巻きだけじゃないね」
「そうよ、お肉のお料理も」
それもというのだ。
「包みたいなのもあればハンバーガーみたいなのもあるから」
「後ステーキみたいなのもあるよね」
「そう、どのお料理も」
「戦争した相手の国のものだね」
「わかるでしょ」
「包むのは中華料理で」
豚バラ煮込みをそうして食べる様にだ。
「ハンバーガーはアメリカで」
「ステーキはフランスよ」
「そうだよね」
「戦争したけれど」
「その相手のものでも」
「いいものは取り入れるお国柄だから」
それでというのだ。
「お料理もね」
「そうなっているんだね」
「そうよ、ベトナムはそうした国よ」
まさにというのだ。
「転んでも只で起きないから」
「戦争をしても」
「意地でも勝ってね」
ジャングルで徹底した消耗戦に追い込んでだ。
「それでいいものは取り入れる」
「強い国ってことだね」
「だからね、美味しいものもね」
「どんどん取り入れていっているんだね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「インサイは欠かせないわね」
これはというのだ。
「何といっても」
「ああ、インサイについては」
「絶対よ」
「欠かせないよね」
「タイ料理もそうだけれど」
この国のお料理もインサイをかなり使うことで有名だ。
「あの味と香りがないとね」
「ベトナム料理は成り立たないね」
「そう、日本じゃあの匂いが駄目って人がいるけれど」
かなり癖のある匂いであることは事実だ。
「逆にベトナムだとね」
「その匂いがないとだよね」
「駄目なのよ、ビーフンでもね」
「他のお料理でもだよね」
「あれがないと駄目よ」
「日本で言うお醤油だね」
「そう、ダオから見たら日本人ってね」
この学園の主流派といっていい僕達もというのだ、学生も先生も職印の人達も半分が日本人となっている。
「お醤油の匂いがするわ」
「それ言われるよ」
他の国の子達からだ、僕は子供の頃から言われている。
「実際にね」
「ええ、本当にね」
「僕達日本人はお醤油の匂いがするんだね」
「だっていつも使ってるでしょ」
その理由もだ、ダオさんは話してくれた。
「お料理に」
「うん、和食はね」
「お刺身もお醤油に付けてから食べるし」
山葵醤油だ、馬刺しとかなら大蒜醤油か生姜醤油だろうか。
「本当に何でもでしょ」
「日本人はお醤油を使うから」
「だからね」
「お醤油の匂いがするんだね」
「それでベトナム人やタイ人は」
「インサイの匂いだね」
「それがするって言われるけれど」
ダオさんは僕に明るく言ってきた。
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