八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百十二話 いよいよ開始その十
「クリスマスはキリスト教だしね」
「日本ってキリスト教の人少ないでしょ」
「全人口の一パーセントだよ」
「それってベトナムにいるキリスト教徒より少ないんじゃ」
「そうかもね」
日本の人口の一パーセントだと一二〇万人位だ。
「教会は結構あるけれどね」
「信者さん自体は少ないのね」
「そうなんだよね」
「仏教の国っていうと」
「また違うよ」
神道もあるし天理教もあるしだ。
「宗教的には日本って色々だから」
「そういえばお正月はね」
「あれは道教だしね」
中国の宗教だ、西遊記や封神演義では話のバックボーンになっている宗教で天帝や老子が重要な神様だ。
「だからね」
「それでなの」
「うん、日本は宗教的にはね」
「かなり色々入ってて」
「ちょっと以上に凄いね」
「そうなってるわね」
「この学園だってね」
八条学園でもだ。
「お寺も神社もあって」
「キリスト教の教会もあるわね」
「天理教の教会もね」
キリスト教の教会はカトリックもあればプロテスタントもある、勿論モスクもちゃんと存在している。
「あるよ」
「お坊さんや神主さんの資格も貰えるのね」
「神父さんも牧師さんもね」
八条大学宗教学部で貰える。
「あと天理教の会長さんの資格もね」
「会長さん?」
「教会長さんだよ」
この宗教は結婚していると夫婦で資格を持っていることが普通だ、この辺り夫婦揃ってというこの宗教らしい。
「この資格もね」
「貰えるのね」
「そうなんだ」
「そうした大学も珍しいわね」
「日本でもうちだけだね、けれどね」
「それもなのね」
「元々日本が宗教に寛容な国だから」
それでだ。
「こうしてね」
「色々な宗教があって」
「イベントも多いんだ」
「そうしたお国柄なのね」
「もっと言えばキリスト教の違いは」
カトリックだのプロテスタントだのだ、もっと言えば東欧の正教も入る。
「どうでもいいからね」
「それかなり大事でしょ」
ダオさんは僕にすぐに言ってきた。
「あっちの方じゃ」
「それで何度も殺し合いになってるからね」
「戦争にもなってね」
「三十年戦争なんか」
欧州の多くの国を巻き込んだ馬鹿げた宗教戦争だった。
「もうね」
「それこそよね」
「無茶苦茶だったから」
「けれど日本じゃなのね」
「あまりね」
カトリックとプロテスタントの違いはだ。
「意味がないんだよね」
「キリスト教はキリスト教ね」
「宗派の違いはね」
それこそだ。
「あまり意味がないよ」
「信じられないわね」
「ベトナムじゃ違うんだ」
「昔フランス領だったでしょ」
そして二次大戦後独立を勝ち取っている。
「だからね」
「フランスはカトリックだしね」
「そう、そのフランスが居座ってたから」
ベトナムにというのだ、随分なもの言いだけれど植民地にされていた方としてはそうした感情ともの言いになるということか。
「カトリックのことはね」
「ベトナムの人達も知ってるんだ」
「そうなの、一応共産主義だけれど」
ベトナム人は共産主義は実はどうでもいいとのことだ、あの時独立しやすかったのでホー=チ=ミンも共産主義を掲げたらしい。
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