お菓子の家
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第五章
「これは」
「そうみたいやな」
「ほなどうしよか」
「もうこれはや」
どうすべきかとだ、麻里佳は答えた。
「レシピの本を全部変えるんや」
「そうするんやな」
「お婆さんお料理はレシピ通りに作ってるんやろ」
「そうだよ」
その通りだとだ、老婆も答えた。
「調味料やスパイスの具合も火加減もね」
「それやったらや」
レシピに忠実に作っているならというのだ。
「もうレシピをや」
「変えるんやな」
「全部な、イギリスやカナダのやなくて」
「他の国のか」
「アメリカでも全然ちゃう」
この国のレシピに変えてもというのだ。
「あそこはあれでそこそこいけるしな」
「ほな」
「そや、アメリカや」
これでいくと話してだ、そしてだった。
麻里佳は早速亜紀と共に移動の術でアメリカのニューヨークに行ってそのうえで本屋で多くのレシピの本を買ってだった。
やはり移動の術でお菓子の家まで戻った、そうしてそのレシピの本を老婆に渡してからそのうえで言った。
「この本通りにや」
「作ればいいんだね」
「試しに何か作ってみたらええわ」
「そうだね、じゃあね」
老婆は麻里佳の言葉を受けてだ、すぐに。
今度はハンバーガーを作ってみて今度は二人だけでなく孫達にも出した。麻里佳達はすぐにそのハンバーガーを食べたが。
今度はだ、笑顔で言った。
「美味しいわ」
「ほんまにな」
「うん、嘘みたいだよ」
「お祖母ちゃんが作ったとは思えないわ」
孫達もこう言った。
「物凄く美味しいわ」
「嘘みたいにね」
「そやろ、レシピ通りに作るんやったら」
それならとだ、麻里佳も話した。
「確かなレシピの本やったらな」
「いいんだ」
「そうなの」
「お婆さんはどうも味音痴やけどな」
麻里佳もこのことは否定しなかった。
しかしだ、こうも言ったのだった。
「レシピ通りに作るんやったらや」
「いいレシピの本を読んでそうして作ったら」
「いいのね」
「そや、しかしな」
ここでだ、麻里佳はこうも言った。
「こっちの世界でもイギリス系はお料理あかんねんな」
「道理でマロリーさん達こっちではじめて美味しいもの口にしたって言う筈や」
亜紀もまた述べた。
「こっちの世界でもやねんな」
「こっちの世界?」
「あっ、何でもないから」
麻里佳は老婆の今の突っ込みにはこう返して誤魔化した。
「気にせんといて」
「そうなのかい」
「そういうことでな、とにかくや」
「ここはだね」
「そや、アメリカのレシピの本はええから」
「その通りに作ったらいいんだね」
「これからはな」
こう老婆に話すのだった。
「まあカナダもお料理あかんしな」
「太平洋でダントツだって言ったね」
「実際にそやからな」
麻里佳は正直に答えた。
「そやからな」
「だからだね」
「そや、ほんまにや」
麻里佳はさらに話した。
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